BCクラシックの単勝馬券の先物買い!? フューチャー・ウェイジャーとは一体何か?

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BCクラシックの単勝馬券の先物買い!?
フューチャー・ウェイジャーとは一体何か?

ブリーダーズカップ・クラシックの馬券が、レースのおよそ2か月前から発売される。

しかも、買った馬が結局レースに出走しなくても、原則として返金されない。

日本の競馬ファンには少し理解しにくいこの馬券が、米国の「Future Wager(フューチャー・ウェイジャー)」です。

2026年のBCクラシックでも実施されることが発表され、第1回は8月28~30日、第2回は9月25~27日に発売されます。

■Future Wagerとは?

通常の競馬では、実際にレースへ出走する馬が決まってから馬券が発売されます。

しかしFuture Wagerは違います。

2026年のBCクラシックFuture Wagerでは、Breeders' Cup側が最大23頭を個別の馬券対象として選び、そこに「その他の全馬(All Others)」を加えた最大24の選択肢で単勝馬券を発売します。

重要なのは、この時点ではBCクラシックの出走馬が決まっていないことです。

個別対象となる馬は、正式なBCクラシックへの出走登録馬の中から選ばれるわけではありません。Breeders' Cup側が、その時点で有力候補と判断した馬を選定します。

そのため、馬券を買った馬が最終的にBCクラシックへ出走するとは限りません。

そしてFuture Wagerでは、購入した馬が本番に出走しなかった場合でも、原則として馬券は返金されません。

故障などによって出走不能と判断された馬は、その時点から新たな馬券の発売が停止されますが、それ以前に購入された馬券については返還されません。

■オッズはブックメーカー方式ではない

Future Wagerでもう一つ重要なのが、オッズの決まり方です。

海外の長期前売り馬券というと、ブックメーカーが「この馬は10倍」「この馬は20倍」とあらかじめ価格を提示する固定オッズを想像するかもしれません。

しかしBCのFuture Wagerはパリミュチュエル方式です。

JRAの馬券と同じように、実際にどの馬へどれだけの資金が投じられたかによって最終オッズが決まります。

そして各Future Wagerは独立したプールです。

第1回の発売が終了すれば、その時点の資金配分によって第1回のオッズは確定します。その後、その馬の評価が大きく上昇しても、第1回で購入した馬券のオッズが変わることはありません。

つまり今回のブリーダーズカップクラシックは、Future Wagerの1回目と2回目、そして本番の通常のオッズの3種類の単勝馬券が存在する事になるのです。

■日本競馬で分かりやすく例えると……

たとえば、有馬記念や宝塚記念のファン投票を本番の約2か月前に行い、

「ファン投票上位23頭+それ以外の馬」

という24択で単勝馬券を先に発売するようなものです。

そして、その中から選んで馬券を買ったとしても、その馬が本番に出走しなければ馬券は外れ。

返金もありません。

こう考えると、出走の可否までが予想対象となる馬券であることが分かります。

■実際、2022年は23頭中16頭が本番に出なかった

では、「出走しなくても返金なし」とはいえ、実際に選ばれた23頭のうちどれくらいが出走しなかったのでしょうか?

実際の例を見ると、驚愕の事実が判明しました。

2022年8月に行われたBCクラシックFuture Wager第1回では、23頭が個別の馬券対象として選ばれました。

そのうち実際のBCクラシックに出走したのはたったの7頭でした。

残る16頭、約7割は様々な理由でBCクラシックには出走しませんでした。
同じBCでも別のレースを選んだ馬もいました。

ただし、これは「出走予定だった23頭のうち16頭が回避した」という意味ではありません。

そもそもFuture Wagerの23頭は正式な出走登録馬ではなく、本番の約2か月前の段階でブリーダーズカップの運営チームが有力候補として勝手に選んだ馬たちです。
そもそも各馬の陣営にBCに出るつもりが無かった馬も含まれているという可能性もあったのです。

Future Wagerでは、そうした「本当にこの馬が約2か月後のBCクラシックに出てくるのか」という部分まで含めて予想する必要があります。

■それでも、なぜ約2か月前に買うのか?

ここで当然、疑問が出てきます。

出走しなければ返金されない。

しかもオッズは固定ではなくパリミュチュエル方式。

それなら、なぜわざわざ約2か月前に馬券を買うのでしょうか。

その答えが非常に分かりやすかったのが、2022年のフライトラインです。

2022年8月の第1回Future Wagerでフライトラインは1番人気となり、2ドルの単勝馬券に対する払戻予定額は6.98ドル(約3.5倍)でした。

ところが、その後フライトラインはパシフィッククラシックを19馬身1/4差で圧勝。

評価は一気に上昇します。

9月に行われた第2回Future Wagerでは4-5(約1.8倍)まで人気が上昇しました。

そして11月のBCクラシック本番。

圧倒的な支持を集めたフライトラインの単勝払戻は、2ドルに対して2.88ドル(1.44倍)でした。

つまり同じフライトラインでも、3.5倍→1.8倍→1.44倍と早く買うほど利益が大きかったのです。

もちろん、これはフライトラインが無事にBCクラシックへ出走したから成立した話です。

途中で故障していたら、Future Wagerで購入した馬券は返金されません。

Future Wagerでは、早い段階で評価するほど高い配当を得られる可能性がある一方、その分だけ「本当に出走するのか」というリスクも購入者が引き受けることになります。

■2026年も2回のFuture Wagerを実施

2026年のBCクラシックFuture Wagerは、

第1回 8月28~30日(本番の約2か月前)
第2回 9月25~27日(本番の約1か月前)

の2回実施されます。

今年は前年のBCクラシック覇者フォーエバーヤングをはじめ、どの馬が個別対象として選ばれ、実際の購入資金がどこへ集まるのかも注目されます。

ただ、Future Wagerの面白さは単なる「早期オッズ」ではありません。

まだ出走馬さえ決まっていない。

その馬が本当にBCクラシックへ向かうのかも分からない。

それでも「この馬は今より評価が上がる」と判断して、約2か月先の馬券を買う。

能力だけではなく、今後の成長、前哨戦の結果、路線選択、そして無事に本番へ出走できる可能性まで含めて先に値段を付ける。

Future Wagerは、いわば「未来そのものを予想して買う馬券」なのかもしれません。

2026年8月20日
OGBうまラボ 編集部

元記事:Xで公開した記事

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