
この記事はXに掲載された当時の原文です。情報は掲載時点の内容です。
【世界の競馬とお金 #2】
英国ではブックメーカーしか馬券を買えない?
実は「4%」しか利用されていないもう一つの馬券発売方式がある
前回の記事では、#英国競馬 が #ブックメーカー 業界から多くの資金提供を受けていることを紹介しました。
https://
x.com/gichu_omoto/st
atus/2069582705160077815
…
英国競馬のオッズの話になる度に
「英国ではブックメーカーしか馬券を買えないの?」
と疑問に思う方も多いでしょう。
結論から言うと、その答えはNOです。
実は英国には、日本の #JRA や地方競馬と同じ仕組みであるパリミュチュエル方式による馬券発売も現在まで続いています。
また、英国以外にもブックメーカー方式を採用している国は存在します。
例えば、
・#アイルランド
・#オーストラリア(パリミュチュエル方式と併存)
・#ニュージーランド(パリミュチュエル方式と併存)
・#南アフリカ
などです。
ただし、国によって制度は異なり、英国とまったく同じ仕組みではありません。
これについてはまた別の記事にて書こうと思います。
さて、英国にも「パリミュチュエル方式」は一応は存在はしているのです。
英国では1928年にThe Tote(トート社)が設立され、現在は UK Tote Group が運営しています。
英国ではこの発売方式を、運営会社の名称から「Tote(トート)」と呼ぶのが一般的です。
ここではJRAと同じように英国以外の馬券も販売していたりもします。
つまり、
「英国競馬=ブックメーカーだけ」
というイメージは正確ではありません。
ところが、ここで非常に興味深い数字があります。
UK Tote Groupが英国議会へ提出した資料によると、英国競馬の馬券市場は、
・#ブックメーカー 約96%
・#パリミュチュエル方式(Tote) 約4%
となっています。
つまり、パリミュチュエル方式も存在するにもかかわらず、利用者のほとんどはブックメーカーを選んでいるのです。
なぜブックメーカーがこれほど人気なのか
もちろん理由は一つではありません。
まず、日本競馬のようなパリミュチュエル方式では、オッズは発走直前まで変動し、最終的な配当はレース開始時に決まります。
一方、ブックメーカーでは、購入した時点のオッズがそのまま保証されます。
例えば朝に10倍で購入した馬が、発走前に人気となって5倍まで下がっても、購入者は最初の10倍で払い戻しを受けられます。
さらに英国では、
Bet365
Coral
Ladbrokes
William Hill
など複数の会社が同じレースのオッズを提示しているため、
「どの会社が一番高いオッズを付けているか」
を比較して購入することもできます。
日本では単勝オッズは一つですが、英国では会社ごとにオッズが異なるのです。
さらに多くのブックメーカーでは、
「Best Odds Guaranteed(BOG)」
というサービスも採用されています。
例えば10倍で購入した馬が、発走時には12倍まで人気を落とした場合、通常なら購入時の10倍での払い戻しになります。
しかしBOG対象なら、より高い12倍で払い戻されることがあります。
逆に人気となって5倍まで下がった場合でも、購入時の10倍は保証されます。
こうした固定オッズや各社のサービス競争も、多くの英国競馬ファンから支持される理由の一つと考えられています。
日本と英国のブックメーカー方式、どちらが優れているのか
今回調べてみて感じたのは、日本と英国では「馬券の考え方」そのものが違うということです。
日本は、誰が買っても同じ最終オッズになる公平性を重視した仕組みです。
一方、英国は会社同士が競争し、利用者が最も有利な条件を選べる市場になっています。
日本で言うならパチンコ店の出玉競争みたいなものかもしれません。
どちらが優れているという話ではなく、どちらにもそれぞれに良さはあるのです。あとは利用する人が決める事。
英国では圧倒的にブックメーカー方式の方が選ばれているという事ですね。
同じ競馬でも、その国の歴史や文化によって、ここまで仕組みが違うというのは非常に興味深い点ではないでしょうか。
【用語解説】
■ パリミュチュエル方式
日本のJRAや地方競馬で採用されている馬券発売方式です。
購入者全員の投票額を集め、主催者が一定割合を控除した後、残った金額を的中者で分配するため、オッズは発走直前まで変動します。
英国では、この方式を運営する会社名から「Tote(トート)」と呼ばれています。
■ ブックメーカー方式
ブックメーカーが独自にオッズを設定し、そのオッズで馬券を販売する方式です。
購入した時点で配当が確定し、会社ごとに異なるオッズやサービスを比較して購入できるのが特徴です。
【参考資料】
UK Tote Group(英国議会提出資料)
Written evidence submitted to the Culture, Media and Sport Committee(2023年)
UK Tote Group 公式資料
2026年6月27日
うまラボ編集部
元記事:Xで公開した記事
