フォーエバーヤング(日本)が次走に予定している9月18日のG1ジョッキークラブゴールドカップ。
舞台は大規模改修を終えて再開する米国・ベルモントパーク。賞金総額100万ドル、距離はダート2000m。勝ち馬には10月31日のBCクラシックへの優先出走権が与えられる、米国ダート路線でも重要なG1だ。
しかも今年は、新ベルモントパーク再開初日のメインイベントでもある。
現地でこのレースが大きな注目を集めている最大の理由が、フォーエバーヤングとソヴリンティ(米)の直接対決だ。
■昨年実現しなかった「世界トップ2」の対決
フォーエバーヤングは昨年のBCクラシックを制し、日本調教馬として初めて同競走を勝利。今年もサウジカップを連覇し、ドバイワールドカップではマグニチュード(米)の2着だった。
8月23日、陣営は米国遠征を正式決定。9月18日のジョッキークラブゴールドカップから、10月31日のBCクラシック連覇を目指すローテーションが確定した。
NYRA(ニューヨーク競馬協会)もフォーエバーヤングを「globetrotting superstar(世界を股にかけるスーパースター)」と紹介し、その参戦を大きく報じている。
対するソヴリンティは2025年の米年度代表馬。
昨年はケンタッキーダービー、ベルモントS、トラヴァーズSなどを制したものの、BCクラシックは発熱のため直前に回避。フォーエバーヤングとの対決は実現しなかった。
今年は始動後2連敗したが、8月8日のG1ホイットニーSで復活。強豪相手に4馬身3/4差という圧勝を見せた。
そして、その次走がジョッキークラブゴールドカップ。
昨年のBCクラシック王者と、昨年の米年度代表馬。
1年前には実現しなかった直接対決が、ついにベルモントパークで実現する。
■ 現地ではすでにBCクラシックの「1位と2位」
この2頭が注目されているのは、過去の実績だけではない。
米メディア「アメリカズ・ベスト・レーシング」が発表しているBCクラシックのパワーランキングでは、ソヴリンティとフォーエバーヤングがトップ2を形成している。
さらに8月28~30日に行われたBCクラシックの先物馬券でも、事前オッズはソヴリンティが4倍で1番手、フォーエバーヤングが5倍で2番手。
米国の馬券市場でも2頭が最上位の評価を受けている。
つまり9月18日に実現するのは、単なる日本馬の海外遠征ではない。
現在の米国競馬でBCクラシックの最有力候補と評価されている2頭が、本番を前に直接ぶつかる一戦なのである。
■「これ以上の新時代の始め方はない」
この対決を特に大きく扱っているのが、主催者のNYRAだ。
ベルモントパークは約3年間にわたる大規模改修を経て、9月18日に競馬開催を再開する。
その記念すべき再開初日のメインレースとして組まれたのが、賞金100万ドルのジョッキークラブゴールドカップだ。
NYRAのアンドリュー・オファーマン上級副社長は、フォーエバーヤングとソヴリンティの対決について、新しいベルモントパークの時代を始める方法として「これ以上のものを考えるのは難しい」という趣旨のコメントを残している。
NYRAのベルモントパーク公式サイトでも現在、
「Superstars Forever Young and Sovereignty facing off」
として、この2頭の対決そのものが再開イベントの目玉として紹介されている。
当日のジョッキークラブゴールドカップはFOXで全米生中継される予定。
新しく生まれ変わったベルモントパークを全米へ披露する、その中心に日本のフォーエバーヤングがいる。
■ ところが、他の馬がほとんどいない
これほど注目されている一戦だが、もう一つ現地で話題になっているのが出走予定馬の少なさだ。
現在、明確にこのレースへ向かっている一頭がフィリアスフォッグ(米)。
7月のG2サバーバンSを10馬身差で圧勝した同馬は、当初ホイットニーSへの出走も検討されていたが、陣営は同レースを回避。ジョッキークラブゴールドカップへ直行することを決めている。
現時点で具体的に名前が挙がっている中心馬は、
フォーエバーヤング
ソヴリンティ
フィリアスフォッグ
という状況になっている。
もちろん、出走馬が3頭に確定したわけではなく、レースまでにはまだ時間がある。
しかし、賞金100万ドルのG1としては異例の少頭数になる可能性が出てきている。
■ 昨年の勝ち馬まで戦線離脱
さらに8月27日、前年のジョッキークラブゴールドカップ勝ち馬アンティクエリアン(米)の現役引退が発表された。
左前脚に故障が見つかったためで、今年のジョッキークラブゴールドカップとBCクラシックへの出走も消滅した。
アンティクエリアンは直近のホイットニーSでもソヴリンティの3着。
本来なら今回の有力候補の一頭だった馬が、レースまで3週間を切ったところで姿を消すことになった。
■ 他のBCクラシック候補は別路線へ
さらに米国の有力ダート馬を見渡すと、ジョッキークラブゴールドカップとは別の道を選ぶ馬が目立つ。
ホイットニーS4着のベイザ(米)は9月26日にサンタアニタで行われるG1グッドウッドSへ向かう予定。ソヴリンティと同じビル・モット厩舎だが、こちらは別路線となった。
一方、フィリアスフォッグはホイットニーSを使わず、早い段階からジョッキークラブゴールドカップを選択している。
BCクラシックへ向けて各陣営がそれぞれ異なるローテーションを組む中、ベルモントパークではフォーエバーヤングとソヴリンティという巨大な2頭が待ち構える形になった。
その結果、世界トップクラスの2頭による直接対決が実現する一方で、出走頭数そのものは非常に少なくなる可能性が生まれている。
■ フォーエバーヤングは「日本から来る挑戦者」ではない
今回の現地報道を追っていると、もう一つ印象的なことがある。
フォーエバーヤングの扱われ方だ。
かつて日本馬の米国遠征といえば、「日本から強豪が挑戦してくる」という構図で報じられることが多かった。
しかし現在のフォーエバーヤングは明らかに違う。
デイリーレーシングフォームはフォーエバーヤングの参戦決定を伝える際、昨年のBCクラシック勝ち馬、北米の古馬ダート牡馬チャンピオン、日本年度代表馬という実績を並べて紹介した。
NYRAは「世界を股にかけるスーパースター」と呼び、新ベルモントパーク再開の目玉として起用。
BCクラシックのランキングや先物市場でもソヴリンティと並ぶ最上位評価を受けている。
もはや「日本からやって来る外国馬」という位置づけではない。
米国ダート路線の中心にいる一頭として、フォーエバーヤングの名前が普通に語られている。
■ 9月18日、新ベルモントパークで初対決
賞金100万ドル。
G1ジョッキークラブゴールドカップ。
新ベルモントパーク再開初日のメインレース。
FOXによる全米生中継。
そして昨年のBCクラシック王者フォーエバーヤングと、米年度代表馬ソヴリンティの初対決。
出走馬が最終的に何頭になるのかも含め、9月18日のベルモントパークはすでに大きな注目を集めている。
日本から米国へ挑戦するフォーエバーヤングを見るのではない。
今度は米国競馬の中心で待ち受けるソヴリンティと、世界の頂点を争うフォーエバーヤングを見ることになる。
昨年のBCクラシックでは実現しなかった2頭の直接対決。
その決着の舞台まで、あと3週間を切った。
26.8.31 うまラボ編集部

