世界の競馬ファンが待ち望んだブリーダーズカップが、いよいよ米国ケンタッキー州のキーンランド競馬場で開幕します。初日は2歳馬限定のGⅠ5競走が行われ、欧州からも数多くの有力馬が参戦。GⅠ3連勝中のサンゴッデスや、安定した成績を誇るフォルサムブルースなどに注目が集まっています。
一方、開催直前には出走取消が相次ぎ、昨年のBCフィリー&メアスプリント優勝馬スプレンダーラも回避が決定。欧州調教馬47頭を乗せた航空機が暴風のため約2時間にわたって着陸できなかったという、国際競馬ならではの出来事も明らかになりました。
オーストラリアではメルボルンカップの出走順位に動きがあり、アイルランドではGⅠ12勝を挙げた名ハードラー、ステートマンが引退。日本では兵庫県の園田競馬場で、西日本交流重賞の兵庫クイーンカップが開催されます。
本日はブリーダーズカップ特集を含む、世界各地の競馬ニュース32本をお届けします。
■ 本日の重賞
🇯🇵【日本・兵庫県】
園田競馬場11R 第23回兵庫クイーンカップ(重賞)
発走予定:20時00分
ダート1400メートル/3歳以上牝馬/西日本交流重賞
1着賞金:700万円
兵庫県尼崎市にある園田競馬場で、牝馬による西日本交流重賞「兵庫クイーンカップ」が行われます。
地元兵庫からはヴィーリヤが出走。前走の園田チャレンジカップでは牡馬の強豪を相手に4着と健闘しました。園田競馬場の1400メートル戦では7勝を挙げており、得意条件で重賞制覇を目指します。
同じ田中一巧調教師の管理馬では、ゼットシルヴィアと3歳馬ジューンキートスも出走します。
他地区からは愛知県のエレインアスティ、高知県のシンリンゲンカイ、佐賀県のレディオガガ、岐阜県の笠松競馬所属レクランスリールが遠征。
なかでもエレインアスティは通算15戦で11回の連対を記録しており、その安定感が注目されます。
地元勢と遠征勢による牝馬の争いに期待が高まります。
■ BREEDERS' CUP|ブリーダーズカップ関連
🇺🇸【アメリカ・ケンタッキー州】
1.ブリーダーズカップ開幕! 初日は2歳馬によるGⅠ5競走
米国ケンタッキー州レキシントンのキーンランド競馬場で、第43回ブリーダーズカップが開幕します。
現地10月30日の初日は「フューチャースターズ・フライデー」と題し、2歳馬限定のGⅠ5競走を実施。芝の短距離戦からダートの中距離戦まで、各カテゴリーの若駒たちが世界一を争います。
実施されるのは、ジュヴェナイルターフスプリント、ジュヴェナイルフィリーズ、ジュヴェナイルフィリーズターフ、ジュヴェナイル、ジュヴェナイルターフの5競走です。
翌31日には古馬を含む主要競走が行われ、世界各地から集まった有力馬たちが激突します。
2日間の賞金総額は3400万米ドルを超え、世界の競馬関係者とファンが注目する年に一度の祭典が始まります。
🇺🇸【アメリカ・ケンタッキー州】
2.スプレンダーラがBCディスタフ取消、追加回避相次ぎ出走予定は7頭に
ブリーダーズカップの開催直前となる10月29日、昨年のBCフィリー&メアスプリント優勝馬スプレンダーラが、BCディスタフへの出走を取り消しました。
米国のボブ・バファート調教師によると、主催者側の獣医師が万全の状態ではないと判断したことが理由です。
前日にはスコティッシュラッシーも回避しており、BCディスタフは7頭立てとなる見通しです。
このほか、BCジュヴェナイルに出走予定だったアースソング、BCフィリー&メアスプリントのプレイング、BCジュヴェナイルフィリーズターフのセレナズゴーストも取消が判明しました。
セレナズゴーストの回避によって出走枠が空き、補欠馬ルミナスビューティーが繰り上がり出走する予定です。
大舞台を目前に控えた出走馬の変更は、各競走の勢力図にも影響を与えそうです。
🇮🇪【アイルランド・アメリカ】
3.フォルサムブルース、欧州の強豪不在でBCジュヴェナイルターフへ
アイルランドのジョセフ・オブライエン調教師が管理するフォルサムブルースが、BCジュヴェナイルターフに出走します。
同馬は今季6戦2勝ながら、すべてのレースで3着以内を確保。アイルランドのGⅠヴィンセントオブライエン・ナショナルステークスでは6馬身差の圧勝を飾り、フランスのGⅠジャンリュックラガルデール賞でも2着に入りました。
これまで同馬を破ったサンゴッデスとアミューズィングは、今回それぞれ別の競走へ出走します。
ジョセフ・オブライエン調教師は、アイルランドのレパーズタウン競馬場で左回りのコースを経験していることを、キーンランド競馬場への適性を判断する材料に挙げています。
欧州で堅実な成績を残してきた若駒が、米国の大舞台で初のGⅠタイトルを狙います。
🇮🇪【アイルランド・アメリカ】
4.GⅠ3連勝サンゴッデス、ジュヴェナイルフィリーズターフの中心
欧州の2歳牝馬戦線で圧倒的な実績を残しているサンゴッデスが、BCジュヴェナイルフィリーズターフに出走します。
今季は8戦6勝、2着2回と連対率100%。アイルランドのフェニックスステークス、モイグレアスタッドステークス、英国のチェヴァリーパークステークスを制し、GⅠ3連勝を達成しています。
今回は初めて芝1600メートルへ距離を延長。9番枠から英国のライアン・ムーア騎手とのコンビで臨みます。
隣の10番枠には、フランスのGⅠジャンリュックラガルデール賞で牡馬を破ったアミューズィングが入りました。
距離延長と米国のコースへの対応が、欧州の有力牝馬にとって新たな課題となります。
🇮🇪【アイルランド・アメリカ】
5.グリーンエンプレス、サンゴッデスとの4度目の対戦へ
アイルランドのジョセフ・オブライエン調教師が管理するグリーンエンプレスが、BCジュヴェナイルフィリーズターフでサンゴッデスとの再戦に挑みます。
今季はサンゴッデスと3度対戦していずれも敗れていますが、前走のフランスGⅠマルセルブサック賞では待望のGⅠ初制覇を達成しました。
父は日本で競走生活を送り、種牡馬となったサクソンウォリアーです。
前走では距離延長が好結果につながっており、今回の芝1600メートルも歓迎材料とみられています。
最内1番枠からの出走となり、GⅠ初制覇の勢いを維持してライバルに挑みます。
🇬🇧【イギリス・アメリカ】
6.ブルーボルト、マイルGⅠ4連勝から距離延長
英国のアンドリュー・ボールディング調教師が管理するブルーボルトが、BCフィリー&メアターフに出走します。
今季は英国のファルマスステークス、フランスのロートシルト賞、アイルランドのメイトロンステークス、英国のサンチャリオットステークスを制覇。
芝1600メートル前後のマイルGⅠを4連勝し、欧州牝馬マイル路線の中心的存在となっています。
今回は約1900メートルへの距離延長に挑戦します。
アンドリュー・ボールディング調教師は、牡馬と対戦するBCマイルではなく牝馬限定戦を選択。キーンランド競馬場のコーナーを2度回るコース形態が、折り合いを助けると判断しています。
14頭立ての12番枠から、アイルランドのコリン・キーン騎手とのコンビで臨みます。
🇬🇧【イギリス・アメリカ】
7.ノータブルスピーチ、20戦目のBCマイルで現役最終戦
前年のBCマイル優勝馬ノータブルスピーチが、今年の同競走を最後に現役を引退することになりました。
英国のチャーリー・アップルビー調教師が管理する同馬は、これまでGⅠ7勝を記録。獲得賞金は340万ポンド、日本円で約7億1000万円を超えています。
今季も英国のロッキンジステークスとシティオブヨークステークスを制し、第一線で活躍を続けてきました。
チャーリー・アップルビー調教師によると、春のキーンランド遠征では展開がかみ合わなかったものの、今回は良好な状態で本番を迎えられる見通しです。
通算20戦目となるラストランで、BCマイル連覇という有終の美を飾れるか注目されます。
🇮🇪【アイルランド・アメリカ】
8.エシカルダイヤモンド、最内枠からBCターフ連覇へ! 戦術変更の可能性も
前年のBCターフ優勝馬エシカルダイヤモンドが、同競走の連覇を目指します。
管理するのは、障害競馬で20度のアイルランド王者に輝いたウィリー・マリンズ調教師です。
昨年は後方から豪快に追い込み、レベルスロマンスを破って優勝。今年は最内1番枠に入り、前年とは異なる戦術を採る可能性が浮上しています。
ウィリー・マリンズ調教師は現地での調整について、ゲート練習や給水に問題はなく、昨年より精神面が成熟していると説明しました。
発馬後に前の位置を取る可能性にも触れていますが、最終的な判断はアイルランドのディラン・ブラウンマクモナグル騎手に委ねる方針です。
9月のケンタッキーターフカップでは、今回も対戦するティファニーの2着でした。
昨年とは違う競馬で、再び世界の頂点に立てるか注目されます。
🇫🇷【フランス・アメリカ】
9.ダイヤモンドネックレス、再び外枠からBCターフへ
フランス1000ギニー、フランスオークス、英国のナッソーステークスなどを制したダイヤモンドネックレスが、BCターフに出走します。
14頭立ての12番枠となり、再び外寄りのゲートからの競馬を強いられることになりました。
騎乗するのはベルギー出身のクリストフ・スミヨン騎手です。
ライアン・ムーア騎手がベンヴェヌートチェリーニへの騎乗を選択したため、スミヨン騎手とのコンビが決まりました。
前走のフランス・パリロンシャン競馬場で行われた凱旋門賞では、外を回る競馬になりながら3着と好走。芝2400メートルへの対応力を示しました。
クリストフ・スミヨン騎手は、コーナーを3度回るキーンランド競馬場では、前走以上に位置取りが重要になるとみています。
🇬🇧【イギリス・アメリカ】
10.20歳の英国王者ラウネーン騎手、コマンチブレーヴでBC初勝利に挑戦
今年初めて英国のチャンピオンジョッキーとなった20歳のビリー・ラウネーン騎手が、BCターフスプリントで初勝利を目指します。
コンビを組むのはアイルランド調教馬コマンチブレーヴです。
両者は今年、英国のGⅠジュライカップとアイルランドのGⅠフライングファイヴステークスを制覇。欧州の短距離路線で実績を残してきました。
ビリー・ラウネーン騎手は、今回の約1100メートルという距離が同馬に適しているとの見方を示しています。
一方、BCジュヴェナイルターフスプリントに出走するリベルタンゴについては、負担重量の関係で自身が騎乗できず、米国のフラヴィアン・プラ騎手へ乗り替わります。
ラウネーン騎手は現地の調教でリベルタンゴにも騎乗し、状態の良さを確認しています。
🇬🇧【イギリス・アメリカ】
11.20歳の見習騎手ジャック・ニコルズ、ミスイーチャンスでBCターフスプリントへ
英国の20歳、ジャック・ニコルズ騎手が、ミスイーチャンスとのコンビでBCターフスプリントに挑戦します。
ニコルズ騎手は同馬とのコンビで、自身初のGⅠ挑戦となったフランス・パリロンシャン競馬場のアベイドロンシャン賞を制覇しました。
今回は見習騎手として臨む初めてのブリーダーズカップとなります。
ミスイーチャンスは開催直前、米国ケンタッキー州のキーンランド・チャンピオンシップセールに上場されました。
しかし、管理する英国のカール・バーク調教師と従来の馬主側は、ニコルズ騎手の続投を希望。世界の大舞台でもコンビを継続することになりました。
現地には家族も応援に駆けつける予定です。
若手騎手が世界のトップジョッキーを相手に、どのような騎乗を見せるか注目されます。
🇿🇦【南アフリカ・アメリカ】
12.南アフリカ産馬初のBC制覇へ、ギミーアナザーが故障と歯科治療を乗り越えて挑戦
BCフィリー&メアターフに出走するギミーアナザーが、南アフリカ産馬として初のブリーダーズカップ優勝を目指します。
同馬は南アフリカで7戦全勝という成績を残しましたが、北米移籍後は現地の競馬への適応に時間を要しました。
昨年は骨の故障によってブリーダーズカップへの出走を断念。その後も歯の問題が発覚し、全身麻酔下で抜歯手術を受ける必要がありました。
しかし、今年6月の復帰後は3戦全勝。前年からの連勝を4に伸ばしています。
9月にはカナダのウッドバイン競馬場で行われたGⅠE・P・テイラーステークスを制覇しました。
管理するのは米国のグラハム・モーション調教師。今回も直近2戦で騎乗したジョン・ヴェラスケス騎手が手綱を取ります。
数々の困難を乗り越えた南アフリカ出身の牝馬が、歴史的な勝利に挑みます。
🇬🇧🇮🇪🇫🇷【イギリス・アイルランド・フランス・アメリカ】
13.欧州馬47頭の輸送機、暴風で約2時間着陸できず
ブリーダーズカップに出走する欧州調教馬47頭を乗せた航空機が、輸送中に暴風に見舞われ、約2時間にわたって着陸できない事態が発生していたことが明らかになりました。
航空機は英国ロンドン近郊のスタンステッド空港を出発し、アイルランド西部のシャノン空港へ向かっていました。
しかし、現地の強風によって着陸が困難となり、約2時間にわたって上空を旋回することになりました。
機内では激しく揺れる時間帯もあり、シャノン空港で搭乗予定だったアイルランド調教馬とフランス調教馬の積み込みも遅れました。
輸送には40年間にわたって国際競走馬輸送に携わってきたベテランのフラインググルームも同行していました。
最終的には全馬が無事に米国へ到着しています。
世界各地の競走馬が集まるブリーダーズカップならではの、舞台裏の出来事となりました。
■ WORLD RACING|世界の注目レース・有力馬情報
🇦🇺【オーストラリア】
14.セントジョージがメルボルンC回避、ソーユーアーは出走順位24位へ浮上
オーストラリアのメルボルンカップに向けて、出走予定馬の顔ぶれに大きな動きがありました。
10月29日、コーフィールドカップ2着馬セントジョージが、獣医検査の結果を受けて出走を取り消しました。
CT検査とPET検査の画像を専門家が確認したところ、故障の危険性が高いと判断されたためです。
管理するシアロン・マー調教師の陣営は、メルボルンカップだけでなく、残りの春季開催への出走も断念することになりました。
この回避によって、前日にベンディゴカップを制したソーユーアーが出走順位24位へ浮上しました。
ソーユーアーにはベンディゴカップ優勝による1キロの負担重量加増が決まり、本番では54キロを背負う予定です。
また、最終登録前の再検査対象には、ヴォーバン、ディファイアントリー、エンフジャール、ワインダークシー、リッツディールの5頭が残っています。
11月3日にビクトリア州メルボルンのフレミントン競馬場で行われる大一番へ向け、出走馬の最終的な顔ぶれに注目が集まります。
🇦🇺【オーストラリア】
15.ハイアラーキーが発熱、ヴィクトリアダービーを取消
オーストラリアのアンソニー・フリードマン調教師とサム・フリードマン調教師の共同管理馬ハイアラーキーが、10月31日のGⅠヴィクトリアダービーを取り消しました。
厩舎によると、同馬に体温の上昇が認められ、治療が必要になったということです。
今後数日間で健康状態を改めて確認し、残りの春季シーズンの出走予定を判断します。
ハイアラーキーは英国の名種牡馬ドバウィの産駒です。
芝2500メートルのクラシック競走への挑戦は見送られ、まずは健康回復を優先することになりました。
🇦🇺【オーストラリア】
16.ヴィクトリアダービー、短距離血統のトゥルーレベルが2500メートルへ挑戦
オーストラリアのダニー・オブライエン調教師が管理するトゥルーレベルが、芝2500メートルのGⅠヴィクトリアダービーに挑みます。
同馬は前走のGⅡムーニーバレー・ヴァーズを制覇し、クラシックの有力候補に浮上しました。
注目されるのは、その血統です。
父レベルデインのGⅠ勝利は1200メートルと1400メートル。母も1300メートルで1勝しており、短距離色の強い血統構成となっています。
しかし、ダニー・オブライエン調教師は、馬体の特徴やレース中の折り合いから、2500メートルへの対応が可能と判断しています。
購入価格は8万豪ドル、日本円で約840万円。
賞金総額300万豪ドル、約3億1500万円のクラシックで、血統的な距離適性の評価を覆せるか注目されます。
🇦🇺【オーストラリア・タスマニア州】
17.ホバート競馬、メルボルンカップ当日に開催再開へ
オーストラリア南東部のタスマニア州ホバートにあるエルウィック競馬場で、競馬開催再開へ向けた準備が進んでいます。
現地では芝コースの走行試験が行われ、約10頭の競走馬が実際にコースを走りました。
騎乗した騎手からは、馬場状態について良好な感触が報告されています。
11月3日のメルボルンカップ当日には、8競走の開催を予定しています。
走行試験には、今後グッドウッドハンデキャップを目指す有力馬も参加しました。
競馬場の再開へ向けて、最終的な安全確認が進められています。
🇰🇷【韓国】
18.ラオンフォレスト、15頭中唯一の6歳馬が若い世代を圧倒
韓国南東部の釜山広域市にある釜山慶南競馬場で行われたGⅢ慶尚南道知事杯で、ラオンフォレストが優勝しました。
出走した15頭のうち、6歳馬は同馬ただ1頭。ほかの14頭はすべて年下の牝馬という顔ぶれでした。
レースではスタート後に中団で脚をため、最後の直線入り口で先頭へ進出。
そのまま後続を突き放し、力強い走りで勝利を収めました。
この結果、韓国の牝馬重賞シリーズ「クイーンズツアー」秋冬シリーズの首位へ浮上しました。
若い世代を相手にしたベテラン牝馬の快勝が、韓国競馬の話題となっています。
🇲🇾【マレーシア】
19.フォーチュンツリー、マレーシア三冠史上初制覇へ
マレーシアの首都クアラルンプール近郊、スンガイベシの競馬場で行われた1400メートル戦を、フォーチュンツリーが3馬身半差で快勝しました。
同馬はすでに1200メートルのトゥンクゴールドカップと、1600メートルのセランゴールゴールドカップを制覇しています。
次走は12月6日のGⅠピアラエマス・スルタンセランゴールを予定しています。
この競走を制すれば、2003年にシリーズが始まって以来、初のマレーシア三冠馬が誕生することになります。
次の舞台は2000メートル。
短距離から中距離まで幅広い距離を克服し、歴史的な偉業を達成できるか注目されます。
■ HORSE NEWS|名馬の近況・故障・引退
🇫🇷🇬🇧【フランス・イギリス】
20.モーリスドゲスト賞馬サジールが引退、英国で種牡馬入り
フランスのGⅠモーリスドゲスト賞を制したサジールが現役を引退し、英国で種牡馬入りすることになりました。
繋養先は英国のシャドウェル傘下、ビーチハウススタッドです。
サジールはメイクビリーヴ産駒の5歳馬で、フランスの名伯楽アンドレ・ファーブル調教師が管理していました。
2歳時のリステッド競走から5歳時のグロシェーヌ賞まで勝ち星を重ね、通算17戦7勝の成績を残しました。
種付料は後日発表される予定です。
また、英国のタタソールズ社が開催する12月繁殖セールの期間中には、関係者向けに展示される予定となっています。
欧州の短距離路線で活躍した実績馬が、今後は種牡馬として新たな一歩を踏み出します。
🇮🇪【アイルランド】
21.ステートマンが引退、GⅠ12勝を挙げた名ハードラー
アイルランドの障害競走で活躍したステートマンの現役引退が決まりました。
管理するウィリー・マリンズ調教師が、現役続行を断念したことを明らかにしました。
9歳となった同馬は、昨年11月に調教中の腱損傷を発症。2025~26年シーズンを全休し、復帰を目指して調整を続けていました。
しかし、競走生活への復帰はかなわず、引退することになりました。
通算成績は20戦14勝。獲得賞金は150万ポンド、日本円で約3億1000万円を超えています。
2024年には英国のチャンピオンハードルを制覇。
さらにアイルランドのチャンピオンハードルとパンチェスタウン・チャンピオンハードルをそれぞれ3連覇するなど、GⅠ12勝を挙げました。
欧州の障害競馬を代表する名馬が、競走生活に幕を下ろします。
■ RACING PEOPLE & SALES|競馬関係者・セリ・馬産
🇬🇧【イギリス】
22.マーフィー騎手、2027年からボンド・サラブレッドと専属契約
英国のトップジョッキー、オイシン・マーフィー騎手が、2027年からボンド・サラブレッドの専属騎手を務めることになりました。
前日には、長年所属してきたカタールレーシングとの専属契約を2026年末で終了することが報じられていましたが、早くも新たな契約先が正式に決定しました。
今後は同馬主が英国、フランス、アイルランドに所有する有力馬に、可能な範囲で騎乗することになります。
主な預託先には、英国のアンドリュー・ボールディング調教師、フランスのクリストファー・ヘッド調教師、アイルランドのパディ・トゥーミー調教師の各厩舎があります。
これまで同馬主の競走馬に騎乗してきたP・J・マクドナルド騎手も、引き続き重要な役割を担う予定です。
ボンド・サラブレッドは今秋、18頭の1歳馬を購入。来年は22頭の2歳馬を擁する見通しです。
新たな環境でマーフィー騎手がどのような活躍を見せるか注目されます。
🇬🇧【イギリス】
23.ホリー・ドイル騎手、31日のサウスウェルで復帰へ
英国の女性トップジョッキー、ホリー・ドイル騎手が、10月31日のサウスウェル競馬場で実戦復帰する予定となりました。
当日は8鞍への騎乗が予定されています。
ドイル騎手は今年5月、英国南西部のバース競馬場で落馬し、下腿部を複雑骨折。長期離脱を余儀なくされていました。
負傷後は約3週間入院し、その後は英国の騎手リハビリ施設オークシーハウスで週5日ほどのリハビリを継続。
約2週間前には調教騎乗を再開していました。
復帰後は体調や騎乗感覚を確認しながら、冬季の海外遠征も検討する方針です。
遠征先の候補には香港も挙がっています。
約5か月ぶりの実戦復帰に、英国競馬界から注目が集まります。
🇭🇰【香港】
24.ルメール、キング、モレイラら招待、香港IJCの10騎手を発表
香港ジョッキークラブは10月28日、12月9日に香港のハッピーバレー競馬場で開催するインターナショナル・ジョッキーズ・チャンピオンシップ(IJC)の招待騎手10人を発表しました。
日本のJRAで活躍するクリストフ・ルメール騎手、レイチェル・キング騎手、ブラジル出身のジョアン・モレイラ騎手らが招待されています。
さらに、世界ランキング上位のライアン・ムーア騎手、ジェームズ・マクドナルド騎手、ウィリアム・ビュイック騎手、ミカエル・バルザローナ騎手、ザック・パートン騎手も参加します。
英国のサフィー・オズボーン騎手は初出場。
アイルランドのディラン・ブラウンマクモナグル騎手も名を連ねました。
大会は12人の騎手によって争われ、残る2枠は11月25日の開催終了後、香港競馬の成績を基に決定されます。
世界の名手たちが香港のナイター競馬場で腕を競う、年末恒例の国際イベントです。
🇺🇸【アメリカ・ケンタッキー州】
25.ガンランナーの2027年種付料が非公開に、今年は100万ドル以上の1歳馬25頭
米国ケンタッキー州のスリーチムニーズファームは10月28日、人気種牡馬ガンランナーの2027年種付料を非公開とすると発表しました。
過去2年間の種付料は25万米ドルでした。
ガンランナーは今年の北米種牡馬ランキングで3位につけ、種牡馬として高い評価を維持しています。
公開セリでは、産駒の1歳馬25頭が100万米ドル以上で取引されました。
また、最初の6世代からGⅠ優勝馬16頭を送り出しています。
同牧場は、ガンランナーの半弟にあたるGⅠ優勝馬オッティーノも新たに迎えることを発表しました。
オッティーノの種付料は7500米ドルに設定されています。
北米の馬産市場で存在感を強めるガンランナーの動向が注目されます。
🇺🇸【アメリカ・ケンタッキー州】
26.ナイキストの永久種付権が125万ドル、BC出走馬の持ち分も直前取引
10月28日に米国ケンタッキー州で開催されたキーンランド・チャンピオンシップセールで、人気種牡馬ナイキストの永久種付権が125万米ドル、日本円で約1億9000万円で落札されました。
購入したのはドンアルベルト・コーポレーションです。
ナイキストはダーレーで繋養されており、北米を代表する種牡馬の一頭として評価されています。
今回のセールでは、ライフイズグッドの生涯繁殖権も77万5000米ドルで取引されました。
競走馬の所有権取引も活発に行われています。
BCジュヴェナイルフィリーズターフに出走予定のバリニアスターは、所有権100%が65万米ドルで売却されました。
また、BCスプリントに出走予定のリアムスミスは、25%の持ち分が25万米ドルで取引されました。
一方、歴史ある牧場キャッスルトンは最低売却価格に届かず、引き続き売却先を探すことになりました。
ブリーダーズカップの開催直前には、競走馬だけでなく種牡馬権利や所有持分も大きな商取引の対象となっています。
🇭🇰🇫🇷【香港・フランス】
27.香港ジョッキークラブ、ブルーポイント産駒を18万ユーロで購入
香港ジョッキークラブが、フランスの競走馬セリ会社アルカナのオクトーバーイヤリングセールで、ブルーポイント産駒の牡馬を18万ユーロ、日本円で約3200万円で購入しました。
同馬の半姉エルンダクイーンは4勝、半兄グレートチーフテンは5勝を挙げています。
父ブルーポイントは現役時代に世界的な短距離GⅠで活躍し、種牡馬としても実績を残しています。
香港競馬でも産駒のカラフルキングがGⅢを制覇しています。
今回購入された牡馬は、将来的に香港国際セールなどを経て、香港で競走生活を送る候補となります。
世界各地から有力な若駒を集める香港ジョッキークラブの購買活動が続いています。
■ WORLD TOPICS|世界の競馬文化・面白ニュース
🇦🇺【オーストラリア】
28.一度の支払いで継続費用なし、小口所有馬アメイジングジャーニーがゴールデンイーグルへ
オーストラリアのシアロン・マー調教師の厩舎が展開する小口所有事業「アンブライドルド・レーシング」の所有馬アメイジングジャーニーが、10月31日のゴールデンイーグルに出走します。
同馬にとってはオーストラリア移籍後の初戦となります。
この小口所有制度は、349豪ドル、日本円で約3万9000円から参加できる仕組みです。
特徴は、最初に一度支払えば、その後の継続的な費用負担がないことです。
これまで対象となったのは、アメイジングジャーニーと、9月のスカーボローステークスを制したオーヴァーザブリッジの2頭です。
アメイジングジャーニーは英国で11戦5勝の成績を残しており、今回も英国のサフィー・オズボーン騎手が騎乗します。
オズボーン騎手は同馬に過去8回騎乗して3勝を挙げています。
一般の競馬ファンが比較的少額で競走馬の所有に参加できる新しい仕組みとして、注目を集めています。
🇬🇧【イギリス・ロンドン】
29.BC公式画家が7年ぶりの展覧会、名馬の血統を絵画で表現
今年のブリーダーズカップ公式画家を務めるケイティ・オサリヴァン氏が、11月2日から7日まで英国ロンドンで展覧会を開催します。
展覧会の名称は「コネクションズ」。
彫刻家チャーリー・ラングトン氏との共同展で、オサリヴァン氏にとっては7年ぶりの展覧会となります。
作品では、名馬の血統や親子のつながりが表現されています。
ドバイミレニアムを、その後継馬であるドバウィやナイトオブサンダーとともに描いた作品のほか、名牝アーバンシーをガリレオやシーザスターズと組み合わせた肖像画などが展示されます。
オサリヴァン氏は、英国で活躍するサフィー・オズボーン騎手の母親でもあります。
今年のブリーダーズカップでは、同氏の作品が開催両日の公式プログラムの表紙を飾ります。
競馬と美術、そして名馬の血統を結びつける展覧会となりそうです。
🇩🇪【ドイツ】
30.ドイツの厩舎・牧場スタッフ表彰制度を刷新、最後はファン投票で選出
ドイツの競馬界で、厩舎や牧場のスタッフを表彰する「ステーブル・スタッフ・アワード」の制度が刷新されました。
2026年の候補者推薦は11月29日まで受け付けています。
これまでは「厩舎スタッフ」と「牧場スタッフ」という所属先による区分でしたが、今年からは経験に応じた2部門に変更されました。
若手スタッフを対象とする「ライジングスター」と、経験豊富なスタッフを対象とする「オールスター」です。
専門審査員が各部門3人の最終候補を選出し、来年1月25日から2月14日まで一般投票を実施。
最終的な受賞者は競馬ファンの投票によって決定されます。
表彰式は5月、ドイツ南西部の保養都市バーデンバーデンで開催される予定です。
受賞者には旅行券や春季開催中のホテル宿泊などが贈られます。
競走馬や騎手だけでなく、日々の調教や馬産現場を支えるスタッフに光を当てる取り組みです。
■ RACING REPORT|競馬制度・運営・規制
🇳🇿【ニュージーランド】
31.ニュープリマスで馬伝染性疾病、調教施設を閉鎖
ニュージーランド北島西部のニュープリマス地区で、馬の伝染性疾病である腺疫の発生が確認されました。
これを受けて、ニュージーランドの競馬公正委員会が関係調教師に通知し、ニュープリマスの調教施設が閉鎖されています。
腺疫は馬の呼吸器系などに影響する感染症で、競走馬の健康管理において警戒が必要な疾病です。
当局は、直近3週間に北島中央地区で競走、試走、調教を行った馬の関係者に対し、体調監視を強化するよう求めています。
また、必要な検査や陰性確認、馬の移動制限について、獣医師と競馬統括団体の指示に従うよう呼びかけています。
競走馬の健康を守り、感染拡大を防ぐための対応が続いています。
🇬🇧【イギリス】
32.英国の機械ゲーム税25%へ、競馬界は年間5700万ポンド減を警告
英国の機械ゲーム税を20%から25%へ引き上げる動きを受け、英国競馬界が強い懸念を示しています。
機械ゲーム税は、場外馬券店などに設置されているゲーム機に課される税金です。
当初懸念されていた40%への大幅引き上げは回避されたものの、英国競馬統括機構(BHA)は、競馬産業の収入が年間最大5700万ポンド、日本円で約119億円減少する可能性があると警告しています。
英国競馬は年間約3億5000万ポンド、約730億円の収入を得ており、その約3分の1が街中の場外馬券店を通じた賭事に関連しています。
税負担の増加によって店舗閉鎖が進めば、競馬場の経営や賞金、関連産業の雇用にも影響が及ぶ可能性があります。
さらに、競走馬の福祉に関する研究資金への影響も懸念されています。
英国競馬統括機構は、政府との緊急協議を求めています。
2026年10月30日
OGBうまラボ編集部
