秋華賞ではモンローウォークが無傷の5連勝でG1初制覇。東京ハイジャンプではジューンベロシティが史上初の3連覇を達成しました。地方競馬の熱戦や英国の若き新王者、フランスの馬文化イベントなど、国内外の話題をお届けします。
【国内競馬NEWS】
1.モンローウォークが無傷5連勝で秋華賞制覇! 史上4頭目の快挙、レースレコードで新女王誕生
10月18日に京都競馬場で行われた第31回秋華賞(G1、芝2000メートル)は、戸崎圭太騎手騎乗のモンローウォークが優勝した。
単勝1.3倍の圧倒的な1番人気に支持された同馬は、デビューから無傷の5連勝でG1初制覇。
勝ち時計の1分56秒1は秋華賞のレースレコードで、京都芝2000メートルのコースレコードにも並ぶ好時計だった。
レースはテイエムアイランが先手を奪い、前半1000メートルを57秒台で通過する速い流れとなった。
モンローウォークは道中5番手付近を追走。一方、最内1番枠から発走したギャラボーグは、好位の内側で脚をためていた。
直線ではギャラボーグが先に抜け出し、外からモンローウォークが追い上げる展開。
最後は2頭の激しい追い比べとなったが、モンローウォークがクビ差で競り勝った。
2着には7番人気のギャラボーグ、3着には2番人気のドリームコアが入った。
無敗で秋華賞を制したのは、2002年のファインモーション、2006年のカワカミプリンセス、2020年のデアリングタクトに続く史上4頭目。
また、ローズステークス優勝馬による秋華賞制覇は、2012年のジェンティルドンナ以来14年ぶりとなった。
モンローウォークは昨年の新馬戦を勝った後、骨折による長期休養を経験。
今年夏に復帰すると、条件戦を連勝してローズSで重賞初制覇を果たし、その勢いのまま秋華賞も制した。
春の桜花賞とオークスには出走できなかったが、秋の大舞台で世代の頂点に立った。
戸崎騎手にとっては2021年のアカイトリノムスメ以来、5年ぶり2度目の秋華賞制覇。
管理する上村洋行調教師にとっても、忘れられないG1勝利となった。
なお、今回の秋華賞ではスウィートハピネスが4コーナーで競走を中止。JRAは左前肢跛行と発表している。
新たな牝馬G1馬の誕生とともに、競走馬の安全についても改めて考えさせられる一戦となった。
2.東京ハイジャンプで史上初の3連覇! 8歳ジューンベロシティが大逃げで障害界の歴史を塗り替える
10月18日の東京9R、第28回東京ハイジャンプ(J・G2、障害芝3110メートル)は、2番人気のジューンベロシティが優勝した。
騎乗したのは高田潤騎手。勝ち時計は3分23秒2だった。
ジューンベロシティは大外9番枠から好スタートを決めると、そのまま先頭へ。
序盤から後続を大きく引き離す積極的な競馬を展開した。
最後の直線では、屈腱炎による長期休養から復帰したマイネルグロンが追い上げてきたものの、ジューンベロシティは最後まで脚色を維持。
3馬身差をつけて逃げ切った。
2着には6番人気のマイネルグロン、3着には1番人気のエコロデュエルが入った。
今回の勝利によって、ジューンベロシティは2024年、2025年、2026年と東京ハイジャンプ3連覇を達成。
同競走では史上初の快挙となった。
これまで東京ハイジャンプでは、障害界の伝説的名馬オジュウチョウサンなどが連覇を達成していたが、3連覇した馬はいなかった。
ジューンベロシティは今回で障害重賞7勝目。
8歳となった現在も、障害界の第一線で活躍を続けている。
高田騎手にとっても、今回がJRA重賞通算30勝目となった。
レース後、高田騎手は、この競走を勝つために1年間取り組んできたことを明かし、3連覇達成への喜びを示した。
一方、2着のマイネルグロンも注目を集めた。
同馬は2023年の中山大障害を制した実績馬。
屈腱炎による約1年半の休養を経て、今回が復帰戦だった。
長期休養明けながら、最後まで勝ち馬を追いかけて2着に好走した。
さらに、昨年の最優秀障害馬エコロデュエルも3着に入り、障害界の実力馬たちが上位を占めた。
年末の中山大障害へ向けて、障害路線の勢力争いが一段と興味深くなってきた。
3.地方重賞3競走で熱戦! 盛岡はハナ差の大接戦、金沢は船橋勢が制覇、佐賀では7番人気が4馬身差の大波乱
10月18日、地方競馬では盛岡・金沢・佐賀の3競馬場で重賞が行われた。それぞれ異なる展開となり、接戦から波乱まで見どころの多い一日となった。
【盛岡・ネクストスター盛岡】
盛岡競馬場で行われた第4回ネクストスター盛岡(2歳、ダート1400メートル)は、山本政聡騎手騎乗の4番人気クリムゾンダリアが優勝した。
好位でレースを進めたクリムゾンダリアは、直線で先に抜け出した1番人気リケアサンバを追撃。ゴール前では2頭による激しい追い比べとなり、最後はハナ差で競り勝った。
勝ち時計は1分25秒6。3着には2番人気セイカールトンが4馬身差で入った。
勝ったクリムゾンダリアは、橘友和厩舎所属の2歳牡馬。父はダートG1で活躍したクリソベリルで、今回が重賞初制覇となった。
一方、敗れたリケアサンバはデビューからの連勝が3でストップ。2歳馬同士の力関係が改めて注目される結果となった。
【金沢・金沢スプリントカップ】
金沢競馬場で行われた第24回金沢スプリントカップ(ダート1400メートル)は、望月洵輝騎手騎乗の1番人気ストライクオンが優勝した。
船橋・山下貴之厩舎に所属する5歳牡馬で、今回は全国交流重賞への遠征だった。
レースでは2番手から積極的に運び、先頭に立つと後続を突き放した。最後は大井所属のヨシノダイセンに1馬身半差をつけて快勝。
勝ち時計は1分27秒5。3着には兵庫所属のナムラタタが入った。
ストライクオンは今回が重賞初制覇。船橋、大井、兵庫と各地から集まった実力馬が上位を占めるなか、南関東所属馬が存在感を示した。
【佐賀・佐賀オータムスプリント】
佐賀競馬場で行われた第9回佐賀オータムスプリント(ダート1400メートル)は、田中直人騎手騎乗の7番人気アメストリスが優勝した。
土井道隆厩舎所属の4歳牝馬で、愛知から佐賀へ移籍して3戦目。今回が待望の重賞初制覇となった。
道中は中団で脚をため、直線に入ると鋭い末脚を発揮。先行勢を一気に差し切り、1番人気ロードミッドナイトに4馬身差をつける圧勝だった。
勝ち時計は1分28秒5。3着には9番人気マイネルサハラが入った。
単勝2470円、3連単は28万2840円という高配当を記録。人気薄の4歳牝馬が古馬の実力馬たちを相手に大金星を挙げ、佐賀の短距離路線に新たな注目馬が誕生した。
盛岡では2歳馬によるハナ差の激戦、金沢では遠征馬の堂々たる勝利、佐賀では人気薄の牝馬による圧勝と、3競馬場でそれぞれ印象的な重賞決着となった。
4.船橋競馬場で騎手たちが50メートル競走に挑戦! ファン投票で決まった異色の運動会を企画
10月18日、船橋競馬場で恒例のファン感謝デーが開催日を迎えた。
今回のイベントのテーマは、ファンとジョッキーが直接交流できる特別な一日。
普段は競走馬に騎乗して速さを競う騎手たちが、今度は自分の脚で競うというユニークな企画が用意された。
最大の注目は、ダートコースを使用した50メートル競走だ。
今回の競技は、事前に実施されたLINE投票によって選ばれた。
投票には合計1030件の回答が寄せられ、その中で最も人気を集めた企画がダート50メートル競走だった。
普段は競走馬が全力で駆け抜けるダートコースを、騎手自身が走る。
競馬ファンにとっては、普段見ることのできない騎手の身体能力を楽しめる企画だ。
さらに、パドックでは「段違い玉入れ」などの競技も用意された。
そのほか、騎手との大じゃんけん大会、チャリティーオークション、ゼッケンバザーなども企画。
競馬場の馬場整備に使用されるハロー車両への乗車体験や、馬とのふれあい、ホースセラピーなども実施内容に含まれている。
また、千葉県畜産協会による「千葉県畜産フェア」も同時開催。
競馬ファンだけでなく、家族連れや地域住民も楽しめる内容となった。
船橋競馬場では、ナイター競馬を中心に多くのレースが行われている。
しかし、今回のファン感謝デーは馬券を購入するためのイベントではない。
競馬場という施設を利用して、騎手とファン、地域住民が直接交流することを目的としている。
普段は勝負の世界で活躍する騎手たちの、競馬とは違った一面を楽しめる特別な企画となった。
5.新潟牝馬Sはシャドウメテオが大外一気! 2連勝で初のオープン勝利
10月18日、新潟競馬場で行われた新潟牝馬ステークス(リステッド、芝2200メートル)は、三浦皇成騎手騎乗の1番人気シャドウメテオが優勝した。
道中は後方で脚をため、直線では大外から豪快な追い込みを披露。
最内枠から先手を奪い、最後まで粘り込もうとした6番人気ウインデイジーをゴール前で差し切り、3/4馬身差で勝利した。
勝ち時計は2分11秒6。3着には3番人気カニキュルが入った。
シャドウメテオは金成貴史厩舎に所属する4歳牝馬。父は三冠馬オルフェーヴル、母は2009年の秋華賞にも出走したパールシャドウという血統だ。
前走の日本海ステークスに続く2連勝で、今回が初のオープン勝利。通算成績を11戦5勝とした。
最後方近くから鮮やかな差し切りを決めたシャドウメテオ。今後の牝馬中長距離路線での活躍にも期待が高まる。
6.フォーエバーヤングの半弟ヤングリッチがデビュー! 3億円の良血馬は初陣3着
10月18日、京都競馬場の5R・2歳新馬戦(芝2000メートル)で、世界的ダート王フォーエバーヤングの半弟ヤングリッチがデビューした。
ヤングリッチは父レイデオロ、母フォエヴァーダーリングの2歳牡馬。矢作芳人厩舎に所属し、2025年のセレクトセールでは3億円で落札された注目の良血馬だ。
鞍上には兄フォーエバーヤングの主戦騎手でもある坂井瑠星騎手を迎え、5頭立ての2番人気で出走した。
最内枠からスタートしたものの、序盤は行き脚がつかず最後方を追走。
直線では外に持ち出して追い上げたが、先行した馬たちには届かず3着でゴールした。
勝ったのは戸崎圭太騎手騎乗の1番人気ビンドゥング。上村洋行厩舎所属のキズナ産駒で、直線の競り合いをクビ差で制した。
ビンドゥングの戸崎騎手と上村調教師は、この日の秋華賞をモンローウォークで制したコンビでもあり、同じ京都芝2000メートルで新馬戦とG1の両方を勝利した。
一方、ヤングリッチに騎乗した坂井騎手は、今回の走りを今後につながる内容と評価。
偉大な兄とは異なり、芝2000メートルで初陣を迎えたヤングリッチ。初勝利は次走以降に持ち越されたが、その成長と今後の路線に注目が集まる。
【WORLD NEWS】
1.20歳の騎手が103年ぶりの大記録! 英国でビリー・ラフネーンが年間チャンピオンジョッキーに輝く
英国競馬界で、歴史的な記録が誕生した。
10月17日、アスコット競馬場でビリー・ラフネーン騎手が2026年の英国平地競馬チャンピオンジョッキーに輝いた。
ロイター通信が報じた。
ラフネーン騎手はアイルランド出身の20歳。
英国のチャンピオンジョッキーに20歳で輝くのは、1923年のチャーリー・エリオット以来、103年ぶりとなる若さだ。
今回のタイトル争いでは、5度のチャンピオン経験を持つオイシン・マーフィー騎手を上回った。
英国のチャンピオンジョッキーは、平地競馬の指定された期間における勝利数で決定される。
日本のJRA年間リーディングとは集計方法が異なり、英国では伝統的に平地競馬シーズンの勝利数によってタイトルを争ってきた。
ラフネーン騎手が競馬界で注目を集め始めたのは、まだ16歳だった頃だ。
約4年前、ニューカッスル競馬場で初騎乗を迎えた当時は、数勝できればよいという程度の目標だったという。
それがわずか4年後、英国のトップジョッキーとなった。
本人も、当時の自分に4年後の姿を伝えても、信じられなかっただろうと振り返っている。
今年の勝利数は、すでに220勝を超えている。
そしてラフネーン騎手が次に見据えているのは、英国競馬史に残る大記録だ。
1947年、伝説的騎手ゴードン・リチャーズは年間269勝を記録した。
ラフネーン騎手は、年末までにこの数字を超えることを新たな目標としている。
英国の年間チャンピオンジョッキーは決まったが、騎手としての挑戦はまだ続く。
20歳で英国競馬の頂点に立った若者が、さらに歴史的な記録を塗り替えることができるのか。
日本ではまだ知名度の高くない若手騎手だが、今後の世界競馬を代表する存在になる可能性を持つ注目の人物だ。
2.競馬場が巨大な地域文化の祭典に! フランス・リヨンで障害競馬と速歩競馬、農産物市場を同時開催
フランス中東部の都市リヨン近郊で10月18日、競馬と地域文化を組み合わせたユニークなイベントが開催日を迎えた。
舞台となるのは、リヨン・パリイ競馬場。
イベントの名称は「Terroirs & Territoires 2026」。
日本語では「地域の風土と文化」といった意味を持つ。
今回のイベントは、競馬場を一般市民に開放する特別な一日として企画された。
入場料は無料。
午後1時から5時までは、障害競馬と速歩競馬が行われる。
速歩競馬は、馬が駈歩をせず、速歩の状態で速さを競う競走。
フランスでは、騎手が馬の後ろに取り付けた小型の二輪車に乗る繋駕速歩競馬が盛んに行われている。
今回の開催では、こうした速歩競馬と障害競馬の両方を観戦できる。
さらに競馬場には、地域の農家や職人たちが集まる大規模な市場が登場。
地元産の蜂蜜、菓子、チョコレート、ワイン、陶器、アクセサリーなどが販売される。
競馬場で馬のレースを楽しみながら、地域の農産物や伝統工芸品を購入できる仕組みだ。
さらに興味深いのが、馬に関する職業や文化を紹介する特別なエリア。
ここでは、さまざまな馬の品種や用途、馬に関わる仕事などが紹介される。
馬による牽引作業や騎馬警察など、競走馬以外の馬の役割についても知ることができる。
競馬場の裏側を見学するツアーや、競走を追走する車両への乗車体験、ポニー乗馬なども用意された。
子どもたちには、馬の感情をテーマにした特別なアルバムが配布される企画もある。
リヨン・パリイ競馬場は、通常の競馬開催だけでなく、地域社会との交流を重視している。
今回のイベントも、競馬を知らない人々が競馬場を訪れるきっかけをつくることを目的としている。
競馬場を単なる競走施設ではなく、地域の農業、文化、教育、観光を結びつける場所として活用する。
フランスの地方競馬場が持つ、もう一つの役割を示す取り組みとなった。
3.馬の祭典が街から街へ移動! フランス・ノルマンディーで競馬場見学や馬車文化を紹介する「エキデイズ」
フランス北西部のノルマンディー地方で、馬をテーマにした大規模な祭典「Équidays 2026」が開催されている。
開催期間は10月17日から21日まで。
舞台となるのは、カーン、バイユー、ヴィール、ファレーズ、リジューなど、ノルマンディー地方の複数の都市だ。
このイベントの最大の特徴は、祭典そのものが各都市を巡回することにある。
一般的な競馬イベントは、一つの競馬場で開催されることが多い。
しかし、エキデイズでは移動式のイベント会場が各都市を巡り、馬に関するさまざまな文化や職業を紹介する。
ノルマンディー地方は、フランスを代表する馬産地の一つ。
サラブレッドの生産牧場だけでなく、速歩競馬用の馬を育てる牧場や乗馬施設なども数多く存在する。
そのため、地域社会にとって馬は重要な産業であり、文化的な存在でもある。
今回の祭典では、馬に関する展示や牧場見学、乗馬体験、馬を使った仕事の紹介など、多彩な催しが用意されている。
10月18日には、カーン競馬場でも特別な企画が組まれた。
カーン競馬場は、フランスの速歩競馬を代表する競馬場の一つ。
競馬場では年間28日以上の開催が行われており、速歩競走馬の能力試験などでも重要な役割を担っている。
この日は速歩競馬の開催に加え、競馬場の舞台裏を見学するツアーも企画された。
さらに、競走を追いかける専用バスに乗車し、普段とは異なる視点からレースを楽しむ体験も用意されている。
競馬ファンにとっても、実際の競走を間近で追いかけることができる貴重な機会だ。
一方、今回の祭典では安全面に関する判断も行われた。
10月17日にカーン市内で予定されていたイベント会場と馬のパレードは、同じ場所で予定されたデモ活動の影響を考慮して中止となった。
主催者は、家族連れの観客や参加する馬の安全を十分に確保できないことを理由としている。
ただし、その他の地域で予定されている催しは継続する方針だ。
馬に関する産業や文化を広く紹介する一方、馬と人の安全を優先してイベント内容を変更する。
今回のエキデイズは、フランスにおける馬文化の広がりと、動物の安全を重視する姿勢の両方を示している。
競馬場、牧場、地域の街並みが一体となり、馬の魅力を伝える5日間。
日本の競馬ファンにとっても、馬と地域社会の関係を考える興味深いイベントとなっている。
26.10.18 うまラボ編集部
