東京競馬場では、昨年のオークス馬カムニャックがアイルランドトロフィーを制し、約1年ぶりの勝利で重賞4勝目。最終レース後のジョッキーベイビーズでは、11歳の北海道代表が優勝しました。
海外では、米国で食肉処理場へ輸送されていた元競走馬の問題や、英国で牛の群れと暮らしていた子馬の救出劇、スペインの伝統的な競馬開催など、世界各地の話題をお届けします。
【国内競馬NEWS】
1.オークス馬カムニャックが復活! アイルランドT制覇でエリザベス女王杯の優先出走権獲得
10月11日の東京11R、アイルランドトロフィー(GII、芝1800メートル)は、川田将雅騎手騎乗の1番人気カムニャックが優勝した。
道中は中団で折り合いをつけ、直線で鋭く伸びて先頭へ。4番人気ジョスランに半馬身差をつけ、昨年9月のローズステークス以来となる勝利を挙げた。
勝ち時計は1分44秒4。3着には2番人気ラヴァンダが入った。
カムニャックは2025年のオークス馬。フローラステークス、オークス、ローズステークスと3連勝したが、1番人気に支持された秋華賞では激しくイレ込み、16着に大敗していた。
今年春の阪神牝馬ステークスとヴィクトリアマイルでは、ともに2着。能力を示しながらも勝利には届いていなかった。
今回の勝利で重賞4勝目を達成し、11月15日のエリザベス女王杯への優先出走権も獲得した。
川田騎手はレース後、勝利できたことへの安堵を口にした。
今回もゲート入り前からテンションが高かったというが、最後入れの枠順だったことや、事前のゲート練習などもあり、何とか我慢できたと説明。
道中は位置取りよりも馬のリズムを重視したと振り返った。
昨年の秋華賞で大敗した京都競馬場のスタンド前発走を、エリザベス女王杯でも経験することになるカムニャック。
今回の勝利は、能力だけでなく精神面の課題を克服できるかという点でも、次のG1へつながる一戦となった。
2.11歳の笠松渚さんがジョッキーベイビーズ優勝! 憧れは今村聖奈騎手、好きな馬はトウカイテイオー
10月11日、東京競馬場の最終レース終了後に、第16回全国ポニー競馬選手権「ジョッキーベイビーズ」の決勝大会が行われた。
全国7地区の代表決定戦を勝ち抜いた8人の少年少女が、東京競馬場の芝コース直線400メートルで競い合う大会だ。
優勝したのは、北海道地区代表の笠松渚さん(11歳)。
出場者の中で唯一の小学生だった。
笠松さんは5歳のポニー、ゴールデンフジに騎乗。大外8番枠からスタートし、残り200メートル付近で先頭に立つと、そのまま押し切った。
勝ち時計は31秒6。
2着には東北・新潟地区代表の佐々木鉄大さん、3着には関東地区代表の内山優さんが入った。
笠松さんは、かつてトウカイテイオーなどが着用したトウカイの勝負服で出場。
トウカイテイオーが好きな理由について、3度の骨折を乗り越えてG1を勝ったことを挙げた。
将来の夢は騎手になること。
憧れの騎手は今村聖奈騎手だという。
表彰式にはクリストフ・ルメール騎手が登場し、出場した8人に自身のゴーグルをプレゼントした。
ルメール騎手は優勝した笠松さんの冷静な騎乗を称賛。
さらに、笠松さんが騎手になる頃には自分はおそらく引退しているだろうと冗談を交え、会場を和ませた。
競馬界の未来を担う子どもたちが、現役トップジョッキーから直接祝福を受ける一日となった。
3.クリスタルザイオンがナナカマド賞制覇! 青雲賞から連勝で世代最初の重賞を制す
10月11日、帯広競馬場で行われた第49回ナナカマド賞(BG3、2歳、ダート200メートル)は、西謙一騎手騎乗の1番人気クリスタルザイオンが優勝した。
第2障害を2番手で下ると、そこから抜け出して快勝。8番人気アオニシキに4秒4差をつけ、勝ち時計は1分50秒0(馬場水分1.2%)だった。
3着には2番人気フジノモンスターが入り、3番人気マオノエトワールは4着に終わった。
クリスタルザイオンは西弘美厩舎所属の牡2歳。父スピードフジ、母桜姫、母の父ヤマトゼンシンという血統。
前哨戦の青雲賞に続く連勝で、ばんえい競馬の2歳世代最初の重賞を制覇した。
今年のナナカマド賞は出走10頭すべてが牡馬という珍しい顔ぶれ。昨年は10頭中6頭が牝馬だったが、今年は牡馬同士による争いとなった。
ナナカマド賞は、ばんえい2歳三冠の初戦に位置付けられる重賞。クリスタルザイオンが世代の頂点を目指して好スタートを切った。
【WORLD NEWS】
1.食肉処理場へ向かうトラックから25頭を保護! 元競走馬13頭も含まれ、米国で法律の実効性が問題に
米国ニューヨーク州で、食肉処理を目的としてカナダへ輸送されていた25頭の馬が保護された事件について、現地紙タイムズ・ユニオンが10月11日に詳しく報じた。
問題の輸送車両が発見されたのは9月初旬。
ニューヨーク州北部のセントローレンス郡で、州警察が大型トラックを停止させ、積み荷を調べたところ、食肉処理場へ運ばれる予定の馬が収容されていた。
25頭の中には、かつて繋駕速歩競走に出走していた元競走馬13頭が含まれていたという。
繋駕速歩競走とは、騎手が馬の背中に乗るのではなく、馬が引く二輪の車両に乗って競走する競馬の一種。
米国やカナダ、欧州などで行われている。
ニューヨーク州では、馬を食肉処理する目的で売買・輸送することを禁止する法律が整備されている。
今回の事件では、ペンシルベニア州の運転手ロバート・サイツが州法違反の疑いで訴追された。
警察は輸送されていた馬を運転手の管理下から移し、保護措置を取った。
しかし、問題はそれだけでは終わっていない。
11日のタイムズ・ユニオンの報道によると、今回の事件は法律の執行方法や罰則の実効性を巡る新たな議論につながっている。
動物保護団体は、輸送中の馬の健康状態に問題があったと指摘。
さらに、馬の所有者や輸送業者に対する責任追及、保護された馬の飼養費用を誰が負担するのかといった課題も浮上している。
米国では競走生活を終えた馬の再調教や譲渡を支援する団体が活動している一方、引退後の馬が食肉処理を目的とする流通経路へ入ってしまう問題も残っている。
今回の事件は、法律による禁止だけでは解決できない引退競走馬の福祉問題を改めて浮き彫りにした。
2.牛の群れで育った子馬を救出! 馬との暮らしを学び、英国で新たな家族のもとへ
英国で、牛の群れと一緒に暮らしていた子馬が保護され、ほかの馬との生活に慣れていくまでの物語が話題となっている。
米国のニュースメディア「People」が10月6日に報じた。
主人公は、ボウイ(Bowie)という若いポニー。
ボウイは英国の牧草地に放置され、周囲にいるのは牛ばかりという環境で生活していた。
動物保護団体HorseWorldなどの協力によって救出され、保護施設へ移された。
その後、動物福祉団体Blue Crossが運営するバーフォードの施設で、新たな生活を始めることになった。
保護された当初のボウイは、栄養状態が悪く、毛が絡まるなど健康面にも問題を抱えていた。
さらに、ほかの馬との接し方にも慣れていなかったという。
そこで施設のスタッフは、ロッキーという年上の馬をボウイの仲間として迎えた。
ロッキーはボウイにとって、馬同士の付き合い方を学ぶための存在となった。
その後、同じく保護されたポニーのマーリンも加わり、ボウイは次第にほかの馬との生活に適応していった。
やがてロッキーが新しい飼い主に引き取られると、ボウイとマーリンは強い絆で結ばれるようになった。
そして、2頭を一緒に引き取りたいという女性が現れ、そろって新しい家庭へ迎えられた。
保護当初は不安を抱えていた子馬が、仲間の馬との交流を通じて成長し、新しい生活を手に入れた。
馬の福祉において、適切な飼養環境だけでなく、ほかの馬との社会的なつながりが重要であることを伝える出来事となった。
3.スペインでは国の祝日にちなんだ競馬! 女性・男性アマチュア騎手のレースも実施
スペインの首都マドリードにあるラ・サルスエラ競馬場では、10月11日に「グランプレミオ・デ・ラ・イスパニダード」を中心とした競馬開催が組まれた。
「イスパニダード」とは、スペイン語圏の国々が共有する歴史や文化的なつながりを表す言葉。
スペインでは10月12日が国民の祝日となっており、その前日にあたる11日の競馬にも、この名称を冠した競走が設けられている。
メインとなるグランプレミオ・デ・ラ・イスパニダードは、芝1600メートルで行われる地元のリステッド競走。
日本の中央競馬とは異なるスペイン独自の格付体系の中で実施される。
この日の番組には、もう一つ興味深い競走がある。
第1競走の「プレミオ・ルイス・ウルバーノ」は、女性と男性のアマチュア騎手を対象とした競走だ。
スペインでは女性アマチュア騎手を「Amazonas」、男性アマチュア騎手を「Gentlemen」と呼ぶ伝統的な区分があり、今回もその名称が競走条件に使用されている。
距離は芝1600メートル。
このほか、国内生産馬に関係する競走やハンデキャップ競走など、合計6競走が編成された。
ラ・サルスエラ競馬場はマドリード郊外に位置し、歴史ある観覧席でも知られる競馬場。
秋季開催は日曜日の午前中を中心に行われ、競馬だけでなく食事や家族での外出を楽しむ場所としても利用されている。
国の祝日と競馬文化が結びついた、スペインならではの開催となっている。
26.10.11 うまラボ編集部
