OGB競馬NEWS EVENING|10月10日

中央競馬では、サウジアラビアロイヤルカップをアゴルディーノが制し、エフフォーリア産駒が初の重賞勝利を達成。キズナ産駒のJRA通算1000勝、京都での13年ぶりとなる2歳芝マイルのJRAレコード更新など、記録に残る一日となりました。

秋のG1戦線では、レガレイラの天皇賞・秋参戦が決定。マイルチャンピオンシップではNHKマイルC馬ロデオドライブと桜花賞馬スターアニスの対決が実現する見通しです。

海外では、豪州G1で単勝61倍の伏兵が1.40倍の圧倒的人気馬を破る大波乱が発生。フランスでは凱旋門賞の歴史的な出走資格変更を巡って論争が拡大しています。さらに、17頭の馬が犠牲となった火災を受けた米国の安全対策や、異例の形で開幕した英国の障害競馬シーズンなど、世界各地の話題をお届けします。

【国内競馬NEWS】

1.エフフォーリア産駒が重賞初制覇! アゴルディーノ、亡き田村康仁元調教師に捧げる勝利

10月10日の東京11R、サウジアラビアロイヤルカップ(GIII、芝1600メートル)は、横山和生騎手騎乗の3番人気アゴルディーノが優勝した。

道中は後方3番手で脚をため、直線では大外から鋭く追い込むと、内から抜け出した6番人気サトノハクマイをクビ差で差し切った。

勝ち時計は1分34秒4。3着には1番人気フィリオソラーレが入った。

アゴルディーノの父は、2021年の皐月賞、天皇賞・秋、有馬記念を制したエフフォーリア。今年から産駒がデビューした新種牡馬にとって、初めてのJRA重賞制覇となった。

今回の勝利には、もう一つ特別な意味があった。

アゴルディーノは、今年6月29日に亡くなった田村康仁元調教師が管理していた馬で、デビュー戦も横山和生騎手とのコンビで勝利していた。

ゴールの瞬間、横山騎手は右手を天に突き上げるガッツポーズを披露。

レース後には、田村元調教師や厩舎スタッフへの感謝を語り、同馬とともに重賞を勝てた喜びを明かした。

1200メートルの新馬戦を勝ち、1800メートルのコスモス賞で2着、そして今回の1600メートルで重賞初制覇。

距離の異なる3戦で能力を示したアゴルディーノが、新種牡馬エフフォーリアの評価をさらに高める勝利を挙げた。

https://x.com/JRA_Special/status/2108826931957465562?s=20

2.キズナ産駒がJRA通算1000勝! サンデーサイレンス、ディープインパクトに続く父子3代の大記録

10月10日の東京8Rで、クリストフ・ルメール騎手騎乗のアローメタルが優勝し、キズナ産駒がJRA通算1000勝を達成した。

JRAで産駒1000勝を達成した種牡馬は、キズナが史上25頭目。

キズナは2013年の日本ダービーを制したディープインパクト産駒で、現役引退後は種牡馬としても多数の活躍馬を送り出してきた。

産駒には2024年皐月賞馬ジャスティンミラノなどがおり、これまでに5頭がJRAのG1を合計7勝している。

今回の記録達成によって、祖父サンデーサイレンス、父ディープインパクト、そしてキズナという父子3代が、いずれもJRA産駒通算1000勝を突破したことになる。

サンデーサイレンスは2749勝、ディープインパクトは2809勝を記録。

日本競馬の血統史に大きな足跡を残した父系が、さらに新たな節目を迎えた。

3.京都で13年ぶりの2歳芝マイルJRAレコード更新! エピファネイア産駒バティックが1分32秒1

10月10日の京都2R、2歳未勝利戦(芝1600メートル)で、エピファネイア産駒のバティックが1分32秒1を記録して優勝した。

西村淳也騎手騎乗のバティックは、好位3番手でレースを進め、直線ではコンセルノとの競り合いをクビ差で制した。

この勝ち時計は、2013年にミッキーアイルが記録した芝1600メートルのJRA2歳レコードを0秒2更新するもの。

13年間破られなかった記録が、2歳未勝利戦で塗り替えられた。

上村洋行調教師は、以前から期待していた馬であり、能力を発揮してくれたと評価。

一方で、レコードについては現在の馬場状態による部分もあるとして、冷静な見方を示した。

4.マイルCSで3歳G1馬対決へ! NHKマイルC馬ロデオドライブと桜花賞馬スターアニスが参戦表明

11月22日に京都競馬場で行われるマイルチャンピオンシップ(GI、芝1600メートル)に、今年の3歳マイルG1馬2頭が参戦することになった。

10日、社台グループオーナーズがロデオドライブとスターアニスの次走予定を発表した。

ロデオドライブは5月のNHKマイルカップを制した3歳牡馬。

前走の新潟記念では初めて芝2000メートルに挑戦し、勝ち馬とアタマ差の2着に好走した。

レース後には右前脚の繋靱帯部に炎症が確認されたものの、放牧先での検査では軽度と判明。現在はノーザンファーム天栄で調整が進められている。

一方、スターアニスは阪神ジュベナイルフィリーズと桜花賞を制した3歳牝馬。

前走スプリンターズステークスでは古馬の一線級を相手に4着に入り、短距離路線でも能力を示した。

現在はノーザンファームしがらきで調整中。

両馬が予定どおり出走すれば、今年のNHKマイルC馬と桜花賞馬が、古馬も交えたマイル王決定戦で直接対決することになる。

5.レガレイラが天皇賞・秋へ! 4年連続G1制覇を目指す一方、新潟記念馬ゾロアストロは参戦見送り

11月1日に東京競馬場で行われる天皇賞・秋(GI、芝2000メートル)に、レガレイラが出走することが決まった。

10日、所有するサンデーサラブレッドクラブが公式サイトで発表した。

レガレイラは2歳時にホープフルステークス、3歳時に有馬記念、4歳時にエリザベス女王杯を制覇。

今回の天皇賞・秋では、4年連続となるG1勝利を目指す。

今年は宝塚記念11着、オールカマー4着と勝利から遠ざかっているが、東京芝2000メートルで巻き返しを狙う。

一方、今年の新潟記念を制した3歳馬ゾロアストロは、天皇賞・秋への参戦を見送ることが同日発表された。

陣営は現状の状態と相手関係を考慮し、今回は出走を見送る判断を下した。

現在はノーザンファーム天栄で調整中で、今後は状態を見ながら次走を決める方針となっている。

6.菅原明良騎手が豪州遠征から帰国、復帰初日に勝利! 最終レースで白星をつかむ

6月からオーストラリアなどで騎乗経験を積んでいた菅原明良騎手が、10日の東京競馬で国内騎乗を再開した。

復帰初日は3鞍に騎乗。

東京7Rで8着、10Rで6着となった後、最終12Rの3歳以上1勝クラス(ダート1400メートル)で、4番人気プレダトゥールを勝利に導いた。

菅原騎手は、レース中の手応えが良く、他馬に並ばれてからも再び伸びてくれたと愛馬の走りを評価。

復帰初日のうちに勝利を挙げられたことへの安堵も口にした。

11日は京都で2鞍、12日も京都で3鞍に騎乗する予定。

12日のスワンステークスではオフトレイルの手綱を取る。

海外での騎乗経験を経た25歳の騎手が、日本の競馬で再び白星を積み重ね始めた。

7.ダノンベルーガ、ボンドガールの妹キューティボンドが新馬勝ち! 福永祐一厩舎の良血牝馬が好発進

10月10日の京都5R、2歳新馬戦(芝1600メートル)で、福永祐一厩舎のキューティボンドがデビュー勝ちを収めた。

川田将雅騎手騎乗で1番人気に支持され、好位から直線で抜け出して優勝。

勝ち時計は1分33秒1だった。

父はサートゥルナーリア、母はコーステッド。

半兄には共同通信杯を制したダノンベルーガ、半姉には秋華賞2着のボンドガールがおり、ダノンヒストリーも兄に持つ。

2024年のセレクトセール当歳部門では、藤田晋氏が1億7000万円(税抜き)で落札した良血馬だ。

福永調教師は、まだ十分に動き切れていない部分がありながらも、初戦で良い内容の勝利を挙げたことを評価。

川田騎手も今後の成長に期待を寄せた。

注目の血統馬が、まずはデビュー戦で結果を残した。

【WORLD NEWS】

1.単勝61倍が1.40倍の大本命を撃破! 豪州G1で大波乱、しかもコースレコード

10月10日、オーストラリアのコーフィールド競馬場で行われたG1マイトアンドパワーステークス(芝2000メートル)で、大波乱が起きた。

勝ったのは単勝61倍のランドレジェンド。

イーサン・ブラウン騎手が積極的に先手を奪い、そのまま粘り込んで、単勝1.40倍の圧倒的1番人気シーザアリバイを短アタマ差で退けた。

3着にはバードマンが入った。

さらに驚くべきことに、勝ち時計の2分00秒30はコースレコードだった。

ランドレジェンドを管理するシアロン・マー調教師は、硬めの馬場が同馬に合っていたと説明。

ペースが落ち着く可能性を考え、積極的に前へ行く作戦を選択していたという。

このレースは近年、圧倒的な人気馬が敗れるケースが続いている。

2021年には単勝1.28倍のザーキ、2024年には1.75倍のミスターブライトサイド、2025年には1.60倍のトレジャーザモーメントが敗戦。

そして今年は1.40倍のシーザアリバイまで敗れた。

豪州の現地メディアは、このレースを人気馬にとっての「墓場」と表現。

単勝61倍の伏兵がコースレコードでG1を制するという、極めて珍しい決着となった。

2.凱旋門賞の出走資格変更に大論争! クールモアが反対署名を呼びかけ、ルメール騎手も反対

フランス競馬の最高峰、凱旋門賞を巡って大きな論争が起きている。

発端は、2027年からセン馬にも凱旋門賞への出走を認めるという規則変更だ。

セン馬とは去勢された牡馬のこと。

従来の凱旋門賞ではセン馬の出走が認められていなかったが、フランスギャロは今年6月に規則変更を決定。

8月の欧州パターン競走委員会でも承認され、来年から初めてセン馬に門戸が開かれることになった。

この変更に対し、世界的な生産・競馬グループであるクールモアが反対する署名活動への支持を表明した。

10月9日、英国Racing TVなどが報じた。

クールモアのジョン・マグナー氏は、凱旋門賞がサラブレッドの繁殖と血統改良において重要な位置を占める競走であると主張。

セン馬の参加によって、競走の伝統的な役割が変わってしまうことを懸念している。

一方、フランスギャロは、性別や去勢の有無にかかわらず世界の優秀な競走馬を集めることで、凱旋門賞の競技的価値と国際的な魅力を高められると説明している。

さらに10日には、フランス出身のクリストフ・ルメール騎手も日本のメディアに対して反対意見を表明した。

今回の変更によって、カランダガンのような世界的な実力を持つセン馬にも、凱旋門賞出走の可能性が生まれる。

競走能力を重視して出走資格を広げるべきか、それとも種牡馬・繁殖牝馬の選定につながる伝統的な役割を守るべきか。

欧州競馬の根幹に関わる議論が続いている。

3.17頭が死亡した厩舎火災を教訓に 米国で29項目の安全対策を提言

米国ニューヨーク州サラトガスプリングスで、競走馬の厩舎火災を防ぐための新たな安全対策が検討されている。

地元紙タイムズ・ユニオンが10月6日に報じた。

きっかけとなったのは、今年6月16日にサラトガ・カジノホテルの繋駕速歩競走施設で発生した厩舎火災。

当時、厩舎には18頭の馬が収容されていたが、17頭が死亡する惨事となった。

繋駕速歩競走とは、騎手が馬の背に乗るのではなく、馬が引く二輪の車両に乗って速さを競う競馬の一種。

事故後に設立された「競馬施設火災安全・予防諮問委員会」は、19人の委員によって厩舎の安全対策を検討。

今回、29項目に及ぶ最初の提言をニューヨーク州のゲーミング委員会へ提出した。

提言には、干し草や飼料、毛布、電動自転車など燃えやすい物品を馬房から離して保管することや、防火壁、スプリンクラー、散水設備の設置などが含まれる。

さらに、火災発生時に馬が安全な場所へ逃げられるよう、避難経路や退避場所を確保することも求めている。

州当局はすでに厩舎への煙感知器設置を義務付けており、州内11競馬場の施設を調査中。

11月には新たな規制に向けた報告書をまとめる予定となっている。

馬が多数収容される厩舎では、火災発生後の避難が極めて難しい。

今回の提言は、競馬場の施設そのものを見直し、同様の悲劇を防ごうとする取り組みだ。

4.障害競馬の祭典なのにチェイスが1レースもない! 英国ウェールズで異例の開催

英国ウェールズのチェプストウ競馬場で、10月9日から11日まで「ウェルシュ・レーシング・フェスティバル」が開催されている。

英国の障害競馬シーズンが本格化する時期の重要な開催だが、今年は異例の番組変更が行われた。

3日間の開催から、チェイス競走がすべて取り除かれたのだ。

英国の障害競馬には、大きく分けてハードル競走とチェイス競走がある。

ハードルは比較的低い障害物を飛越する競走で、チェイスはより大きく頑丈な障害物を飛び越える競走。

今回の変更は、長期間にわたる少雨の影響でチェイス用コースの馬場状態が十分に改善せず、安全な競走を実施できないと判断されたためだ。

英国競馬統括機構は9月25日の段階で番組変更を発表。

開催の目玉の一つだったトム・マローン・ブラッドストック・ノービスチェイスも実施されないことになった。

10日の開催もハードル競走を中心とした番組で行われる。

英国ではこの秋、ケンプトンやエクセターでも乾燥による障害開催の中止が発表されている。

障害競馬にとって、馬場の安全性がいかに重要であるかを示す事例となっている。

5.1983年に誘拐された伝説のダービー馬シェルガー、ライアン・ムーア騎手とともに英国競馬殿堂入り

英国競馬の歴史に残る名馬シェルガーと、現役トップジョッキーのライアン・ムーア騎手が、英国競馬殿堂入りを果たすことになった。

10月5日に発表され、17日にアスコット競馬場で開催されるブリティッシュ・チャンピオンズデーで正式な表彰式が行われる。

シェルガーは1981年の英ダービーを10馬身差で圧勝した歴史的名馬。

その後も愛ダービーやキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスを制し、圧倒的な能力を示した。

しかし、同馬の名前が競馬史に刻まれている理由は、競走成績だけではない。

1983年、種牡馬として繋養されていたアイルランドの牧場から何者かによって誘拐され、その後の消息が分からなくなった。

この事件は世界的に大きく報道され、競馬界でも特に有名な未解決事件の一つとなっている。

一方、ライアン・ムーア騎手は英国のリーディングジョッキーを3度獲得し、世界各国で230勝以上のG1・グレード1競走勝利を記録している。

ムーア騎手は殿堂入りに際し、自身のキャリアを支えてきた家族や関係者への感謝を表明。

父ゲイリー・ムーア氏、リチャード・ハノン氏、マイケル・スタウト氏、エイダン・オブライエン氏らの名前を挙げた。

競馬史に残る謎の失踪を遂げた名馬と、現在も世界の第一線で活躍する名騎手。

異なる時代を代表する2者が、同じ日に英国競馬殿堂へ迎えられる。

26.10.10 うまラボ編集部

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