走行中の馬群へ、放馬した馬が正面から接近――米国では騎手たちの回避によって大事故を免れました。フランスでは名ステイヤーが凱旋門賞当日に馬場馬術を披露。さらに、各地を巡る「トロット版ツール・ド・フランス」や、芝からダートを横切って再び芝へ戻る米国の特殊なコースなど、世界各地の競馬をお届けします。
■ サラブレッドデイリーニュース(米国)
1.放馬がコースを逆走、競走中の馬群と正面から接近
米国のマウンテニアパーク競馬場で21日、第6競走に出走した6歳セン馬キャンディストリートが他馬の脚に接触し、マイケル・ペイガン騎手を落として放馬した。
キャンディストリートは進行方向とは反対側へ走り始め、直線へ入った競走中の馬群と正面から接近。裁決委員が警報を発し、場内実況も騎手へ競走中止を繰り返し呼びかけた。騎手たちは馬を減速させてコース脇へ寄せ、放馬は馬群の横を通過した。
競走は不成立となり、その後の2競走も中止された。キャンディストリートは脚に軽い傷を負ったが重傷ではなく、ペイガン騎手も一時は脚の感覚を失って病院へ搬送されたものの、感覚が戻り、翌朝までに退院した。
2.G1を4馬身差で制した2歳馬ザグッドライフ、BCジュベナイルを見送る
米G1ホープフルSを制した2歳牡馬ザグッドライフ(米)が、今季の残り競走へ出走せず、2027年の3歳シーズンまで休養することになった。
同馬は7月にサラトガ競馬場で初勝利を挙げ、9月6日のホープフルSを4馬身差で優勝。ブリーダーズCジュベナイルへの出走が検討されていた。
ウインスターファームのエリオット・ウォルデン最高経営責任者によると、手術を必要とする故障ではない。30日間を放牧で過ごし、その後30日間の軽い調教を経て、3歳シーズンへ備える。
■ サラブレッドデイリーニュース(フランス)
3.名ステイヤー・ヴァジラバド、凱旋門賞当日に馬場馬術を披露
パリロンシャン競馬場で10月3、4日、引退競走馬の再調教を支援する募金活動「プロメス・ド・ラルク」が行われる。
凱旋門賞当日の4日には、ロイヤルオーク賞、カドラン賞、ドバイゴールドCをそれぞれ3連覇したヴァジラバドが登場。現役引退後に転向した馬場馬術を、パレードと馬場内で披露する。
同活動では、2日間に行われる全競走の馬主らに対し、所有馬が3着以内へ入った場合、獲得賞金の一部を寄付するよう呼びかける。集まった資金は、引退馬が乗馬や馬術競技へ移るまでの治療、休養、再調教に使われ、支援団体の年間予算のおよそ4分の1を賄っている。
4.ロイヤルアスコットG1で2着のレイエヴカ、前走後の不調で引退
2026年のG1キングチャールズ3世Sで2着となった4歳牝馬レイエヴカ(仏)が、前走後の状態悪化により現役を引退する。
同馬は9月のG3プティクヴェール賞で3着。深刻な故障ではないものの、年内の復帰が難しいため、アガ・カーンスタッドは繁殖入りを決めた。
通算15戦でG3サンジョルジュ賞などを勝ち、2025年のG1コモンウェルスCでも入着。半兄には仏2000ギニーとジャックルマロワ賞を制したレイフがいる。
■ サラブレッドデイリーニュース(スウェーデン)
5.新競馬場を巡る議論が「耐え難い水準」に 就任3カ月の会長が即時辞任
スウェーデン競馬統括団体スヴェンスクギャロップのビョルン・ニルソン会長が、会長職と理事職を即時辞任した。会長に就任したのは2026年6月だった。
背景にあるのは、南部に計画される新競馬場を巡る議論。現行のイェーゲルスロー競馬場が近く閉鎖される予定で、国内競馬を構成するストックホルム、スコーネ、ヨーテボリの3団体は、今後の競馬運営について異なる意見を持っていた。
ニルソン氏は、臨時総会を前に団体間の議論が激化し、その論調が耐え難い水準に達したことを辞任理由としている。スヴェンスクギャロップ側は、同氏が財務改善と今後の重要決定に向けた準備を進めたと説明した。
■ ル・トロ/RTL(フランス)
6.フランス各地を巡る「トロット版ツール・ド・フランス」 首位馬は25メートル後方から追う相手と対決
フランス・アルジャンタン競馬場で23日、グランドナショナル・デュ・トロットの第10戦が行われた。
同シリーズは、各地の競馬場を転戦することから「トロット版ツール・ド・フランス」と呼ばれる年間競走。2026年は3月から12月まで全14戦が組まれ、最終戦はヴァンセンヌ競馬場で行われる。
第10戦は右回り2875メートルの繋駕速歩競走で、5歳から10歳までの18頭が出走。シリーズ首位のジャンティル・ディースホートに対し、6ポイント差の2位イアルト・デルタルは、首位馬より25メートル後方の発走地点から追いかける条件となった。
シリーズでは競走馬だけでなく、調教師、ドライバー、騎乗速歩の騎手、アマチュアドライバーにも年間ポイントが付与される。
■ ポーリックリポート(米国)
7.坂を下り、右へ曲がり、ダートを横切る サンタアニタ名物コースで重賞2競走
米国・サンタアニタパークで26日、同競馬場特有のヒルサイド芝コースを使用する二つの重賞が行われる。
古馬によるG2エディーD・ステークスと、3歳牝馬によるG3ジョンC・ハリス・ステークスで、いずれも約6.5ハロン。出走馬は丘の上から発走して坂を下り、米国競馬では珍しい右カーブを通過する。
その後はダートコースを横断して内側の芝コースへ入り、通常の左回りでゴールを目指す。芝競走でありながら、レース中に芝からダート、再び芝へと走路が切り替わる特殊な設定となっている。
ヒルサイド芝コースは1953年から使用され、丘上の発走地点からゴールまでの長さは約6.5ハロン。今回の2競走には、それぞれ9頭と10頭が登録している。
26.9.23 うまラボ編集部
