韓国では新たな競馬場が開場し、スペインでは地元サッカーの試合に合わせて競馬の開催時間そのものを変更。豪州では引退競走馬が再び主役になる大会が開かれるなど、今夜は競馬場の外側まで広がる各国の競馬文化と仕組みを中心に集めました。
■ 韓国馬事会(韓国)
1.レットランパーク・ヨンチョンが開場 韓国で初めて「巡回競馬」を導入
韓国・慶尚北道のレットランパーク・ヨンチョンで9月13日、開場式と最初の競馬開催が行われた。
ソウル、済州、釜山慶南に続く韓国4カ所目の競馬公園で、同日の最初の競走は午後0時45分に発走した。2026年は12月6日まで毎週日曜日に開催し、12週間で72競走を実施する予定となっている。
ヨンチョンで特徴的なのが、韓国競馬では初めて導入される「地域巡回競馬」。競走馬や競馬関係者を新競馬場へ常駐させるのではなく、通常はレットランパーク釜山慶南を拠点とする馬と関係者がヨンチョンへ移動して競走を行う。
競走馬の輸送には温度や湿度を管理できる専用車両を使用し、到着後には獣医師や装蹄師による確認も行う。今後は巡回方式による開催を段階的に増やし、将来的には馬が常駐する競馬場への移行も計画されている。
■ サンセバスチャン競馬場(スペイン)
2.サンセバスチャン競馬場、地元サッカーに合わせて開催時間を前倒し
スペイン・サンセバスチャン競馬場は9月13日の開催を、通常より早い午後5時15分から実施した。
理由は同じ日の午後9時から、市内のアノエタでサッカーのレアル・ソシエダ対アトレティコ・マドリード戦が行われるためだった。
競馬場は最終競走のグラン・プレミオ・デ・サンセバスチャンを午後7時23分発走とし、競馬終了後にサッカー観戦へ向かえる日程を設定。公式案内でも、競馬とサッカーの両方を楽しめるよう開催時刻を前倒ししたと説明している。
さらに競馬場から徒歩圏内のラスアルテ=オリア駅から公共交通機関を利用してアノエタ方面へ移動できることも案内された。
同じ街の競馬とサッカーを競合させるのではなく、観客が両方を観戦できるよう競馬の番組時刻を組み直した形となった。
■ レーシングポスト(英国)
3.愛チャンピオンSを制したフォーリー騎手、直線の斜行で騎乗停止
ホタズヘル(愛)で9月12日のG1愛チャンピオンSを制したシェーン・フォーリー騎手に、11日間の騎乗停止処分が科された。
レース終盤、ホタズヘルは直線で左へ進路を変えながら走り、アボーイネームドスージー(愛)など複数の馬へ連鎖的に影響を与えた。
審議の結果、フォーリー騎手は不注意騎乗と判断された。今回が同騎手にとって一定期間内で3回目の同種違反だったことに加え、妨害が続いた距離や他馬への影響も処分の判断材料となった。
レース結果そのものは変更されず、ホタズヘルのG1勝利はそのまま確定している。
単勝51倍でG1を制した直後、その騎乗内容について別途処分が科される結果となった。
■ フランス・シール(フランス)
4.フォートペイン、8歳で再び重賞制覇 パリロンシャンのG3を勝利
フォートペイン(仏)が9月13日、フランス・パリロンシャンのG3プリデュパンを制した。
ニコラ・コーレリー厩舎の8歳馬で、クリストフ・スミヨン騎手を背に道中4番手付近を追走。残り約250メートルで先頭に立ち、後続を1馬身1/4退けた。
フォートペインにとってグループ競走はこれが4勝目。通算勝利数も11勝となった。
同馬は欧州だけでなく中東でも走っており、ドバイのスーパーサタデーでもG3を勝った実績を持つ。8歳となった現在も現役を続け、再びグループ競走のタイトルを加えた。
■ レーシング・ヴィクトリア(豪州)
5.引退競走馬が再び競技の主役に ボネオパークで「オフ・ザ・トラック・カーニバル」
豪州ビクトリア州のボネオパークで9月11日から13日まで、競走馬を引退したサラブレッドだけを中心とする「レーシング・ヴィクトリア・オフ・ザ・トラック・カーニバル」が開催された。
競走を終えた馬たちが馬場馬術、総合馬術、障害飛越、ショーホースなど別の競技で能力を披露するイベントで、2025年に始まり、今年は開催期間が2日間から3日間へ拡大された。
出場馬にはメルボルンCとコーフィールドCを制したウィズアウトアファイト(豪)をはじめ、ハートネル(豪)、エドゥアルド(豪)など現役時代にG1を勝った馬も含まれた。
最終日には現役騎手、調教師、馬術競技選手による障害飛越のチーム対抗戦も実施。メルボルンC優勝騎手ジェイミー・メルハム騎手らが参加した。
競走馬の引退後を単なる余生として扱うのではなく、別の馬術競技へ転向したサラブレッドそのものを主役とする大会として開催されている。
