平地競走を障害騎手だけで争う英国の特別戦、子どもたちを競馬場や調教現場へつなぐフランスのポニー競馬、車のナンバープレートを競馬支援に活用するケンタッキー。今夜は、レース結果だけでは見えてこない世界の競馬文化や仕組みも含めて集めました。
■ レーシングポスト(英国)
1.平地競走なのに騎手は全員「障害専門」 チェスターでジャンプジョッキー限定戦
英国・チェスター競馬場で9月12日、平地競走でありながらプロの障害騎手だけが騎乗できる「ジョン・スミス・ジャンプジョッキーズ・チャレンジ・ハンデキャップ」が行われた。
競走は芝約2500メートル、4歳以上のハンデ戦。11頭が出走し、普段はハードルやチェイスで騎乗する障害騎手たちが平地用のスターティングゲートからレースを争った。
勝ったのは8歳馬ニブラスゴールド(英)。ジョナサン・バーク騎手を背に単勝11/4の1番人気に応え、アレンジ(英)に1馬身1/4差をつけた。
ニブラスゴールド自身も平地と障害の両方を走っており、6月にはチェイスへ出走、7月にはチェスターの平地戦を勝利していた。
競走条件そのものに「プロのジャンプジョッキーが騎乗すること」と明記し、障害騎手だけで平地競走を行う番組となっている。
■ フランス・シール(フランス)
2.競馬界の外から子どもたちを呼び込む メゾンラフィットでポニー競馬9競走
フランス・メゾンラフィットで9月13日、若い騎手によるポニー競馬9競走が組まれている。
出場登録は99件、実際に参加する騎手は83人。そのうち78人は競馬界の家庭や既存の競馬関係者の環境から入った若者ではなく、乗馬クラブ、障害飛越、総合馬術、ホースボールなど別の馬術分野から参加する。
開催の目的は、地域の子どもたちに競馬とその周辺環境を知ってもらうこと。競走は芝コースで午前11時55分から始まり、1日で9競走を実施する。
さらに参加騎手と指導者には、フランスギャロから通常の競馬開催への招待券が贈られるほか、メゾンラフィット調教センターの多くの調教師が、後日朝の調教を見学できる招待を提供する。
ポニー競馬だけで完結させず、実際の競馬場や調教現場へ若い乗馬経験者をつなげる仕組みが組み込まれている。
■ サラブレッドデイリーニュース(米国)
3.騎手の「1騎乗1ドル」を競馬界が4倍に デラウェアパークで障害騎手支援
米国・デラウェアパークで9月12日、永久的な障害を負った騎手を支援するパーマネントリー・ディセーブルド・ジョッキーズ・ファンドへ2万ドルが寄付された。
資金の集め方は、騎手がライブ開催中の「1騎乗ごと」に自身の騎乗料から1ドルを寄付する方式。
さらにデラウェアパーク、デラウェア・サラブレッド馬主協会、デラウェア騎手健康福祉基金の3団体が、それぞれ同じ1ドルを上乗せする。
つまり騎手が1回騎乗するたびに、騎手本人の1ドルを含む合計4ドルが積み上がる仕組みとなっている。
シーズンを通じて積み立てられた資金は2万ドルとなり、オーナーズデー開催の第6競走終了後に贈呈された。
4.愛車のナンバープレートが競馬支援に ケンタッキー州でブリーダーズCデザイン販売開始
米国ケンタッキー州で、ブリーダーズカップのデザインを使用した自動車用ナンバープレートの販売が始まった。
州内の住民が郡書記官事務所を通じて購入できる正式な特別ナンバープレートで、価格は44ドル。さらに年間25ドルを追加すれば、文字や数字を指定するパーソナライズドプレートにもできる。
1枚販売されるごとに10ドルがブリーダーズカップ・チャリティーズへ寄付される。
集まった資金は、引退競走馬のアフターケア、騎手の健康と福祉、厩舎や競馬産業で働く人々、馬の医学研究、地域支援などに充てられる。
競馬イベントのグッズではなく、州が発行する日常の自動車ナンバープレートそのものを競馬支援の資金源として使う仕組みとなっている。
5.19歳で借地から牧場経営を始めたダンカン・テイラー テイラーメイド創業50周年
米国ケンタッキー州のテイラーメイドが創業50周年を迎え、9月12日にその歩みが紹介された。
始まりは1976年。当時19歳だったダンカン・テイラー氏とマイク・シャノン氏が、借りた土地で繁殖牝馬を預かる事業を始めた。
その後、兄弟のフランク、ベン、マーク各氏も加わり、現在の牧場は約1600エーカーまで拡大。競走馬の生産、種牡馬事業、セリ上場などを手掛ける。
2026年のキーンランド・セプテンバー1歳馬セールには4642頭がカタログ掲載されているが、その約12%にあたる馬をテイラーメイドが上場する。
ダンカン・テイラー氏が19歳の時に借地で始めた繁殖牝馬預託事業は、半世紀を経て、世界最大級の1歳馬市場で全上場馬のおよそ8頭に1頭を送り出す規模まで成長した。
6.南アフリカ無敗のギミーアナザー、北米移籍後に再び連勝 カナダG1制覇
南アフリカで無敗だった6歳牝馬ギミーアナザー(米)が9月12日、カナダ・ウッドバイン競馬場のG1E.P.テイラーSを制し、ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフへの優先出走権を獲得した。
同馬は南アフリカ時代に7戦7勝。その後、5歳時に米国のグラハム・モーション厩舎へ移籍した。
北米では最初から無敗だったわけではなく、7戦して2度馬券圏外を経験。しかし2025年末のG2ジョンCメイビーSから勝利が続き、2026年はG3イートンタウンS、G2ビヴァリーD.Sを連勝した。
そして今回のE.P.テイラーSで4連勝。南アフリカで無敗のままキャリアを積んだ牝馬が、別大陸へ移籍した後にも再び連勝を築き、北米で初のG1タイトルを手にした。
