騎手の国籍を限定したレース、午前6時半から一般開放される2500頭の調教拠点、5万ドルの追加登録から300万ドル競走を制した無敗馬――。今日はレース結果だけでは見えてこない、世界各地の競馬制度、文化、記録を中心に集めました。
■ レーシングパルス(インド)
1.騎手の条件は「インド国籍」 コルカタで国籍限定のハンデ戦
9月8日にインド・コルカタ競馬場で行われた第1競走ザ・フェイス・ハンデキャップには、出走馬の条件とは別に「インド国籍の騎手が騎乗すること」という騎手側の条件が設定された。
競走はレーティング1~26の馬による1400メートルのハンデ戦で、賞金総額は30万ルピー(約49万円)。外国人騎手を含めて騎乗者を選ぶのではなく、このレースでは騎手の国籍そのものが出走条件の一部となっていた。
勝ったのは5歳牝馬カシミアシルク(印)。エムディー・アズハルディン騎手を背に4馬身1/4差で勝利し、勝ち時計は1分27秒656だった。
日本では競走条件といえば馬の年齢、性別、収得賞金、勝利数などが中心となるが、コルカタでは「騎乗できる騎手の国籍」を指定した競走が実際の番組に組まれている。
■ フランスギャロ(フランス)
2.午前6時30分から2500頭の調教拠点を無料公開 シャンティイが「競馬の裏側」を一般開放
フランスギャロは9月8日、欧州文化遺産の日に合わせ、9月19日にシャンティイ調教センターとシャンティイ競馬場を一般向けに特別公開すると発表した。
調教センターの見学は午前6時30分から開始。毎朝約2500頭の競走馬が調教を行う施設へ一般客が入り、エーグル調教場や森林内に設けられたリオンの直線調教コースなどを巡る。見学は30~45分で、午前10時の最終出発まで無料、事前予約も必要ない。
正午からはシャンティイ競馬場も入場料と駐車料金を無料とし、8つの平地競走と若い騎手による2つのポニー競走を実施する。
さらに2026年は馬車に乗って競馬場の歴史や施設を巡るツアーを初開催。普段は入れない競馬場内部の見学も行い、レース終了後は午後9時まで音楽イベントが続く。
競走当日の観客席だけではなく、夜明け直後の調教から競馬場の裏側までを1日で一般公開する催しとなっている。
■ ルイドソダウンズ(米国)
3.5万ドルを払って追加登録した無敗馬、300万ドルG1を制覇 440ヤードで大会最速タイム
9月7日に米国ニューメキシコ州・ダウンズアットアルバカーキで行われたクォーターホースのG1オールアメリカンフューチュリティを、カウボーイズフライング(米)が制した。
同馬はこの競走のトライアルへ出走するため、5万ドルの追加登録料を支払って参戦した馬だった。
決勝は2歳馬による440ヤード戦で、賞金総額300万ドル。カウボーイズフライングはスタートでわずかに遅れながらも加速すると、最後は2馬身差をつけて優勝した。
勝ち時計20秒623は、オールアメリカンフューチュリティ決勝史上最速。これでデビューから6戦6勝となり、3つのステークス競走を無敗のまま制している。
オールアメリカンフューチュリティはクォーターホース競馬で最も賞金額の大きい競走の一つ。5万ドルを払ってトライアルに追加登録された2歳馬が、そのまま無敗で300万ドルのG1を勝つ結果となった。
■ エル・ヌエボ・ディア(プエルトリコ)
4.55年間続いた名門生産牧場を「馬の仕事は未経験」の米国人投資家が買収
プエルトリコを代表するサラブレッド生産牧場の一つ、ポトレロ・ロスリャノスが、創設家であるマルドナド一家から米国人投資家グレゴリー・ジョン・ミスロウ3世氏へ売却されたことが9月7日に明らかになった。
同牧場は55年間にわたりマルドナド一家が運営してきたが、新しい所有者のミスロウ氏は競馬・馬産業での実務経験を持たない。マイアミ地区で観賞植物などの農業事業を手掛け、最近プエルトリコのポンセへ移住した人物だという。
ただし牧場運営そのものが完全に入れ替わるわけではない。エドゥアルド・マルドナド氏とその子供たちは、新オーナーのもとでも引き続き競走馬の生産業務を担当する。
ポトレロ・ロスリャノスはこれまでに150頭を超えるプエルトリコのステークス勝ち馬を生産。2025年には同牧場出身のカリスマティコ(プエルトリコ)が無敗で当地三冠を制した。
55年間続いた家族経営の牧場は所有者を変える一方、競走馬を育てる現場には創設家が残る形で新体制へ移行する。
■ ニューヨーク競馬協会(米国)
5.前年20勝から73勝へ マニー・フランコが初のサラトガ騎手リーディング
9月7日に終了した米国・サラトガ競馬場の2026年夏開催で、マニー・フランコ騎手が73勝を挙げ、自身初となるサラトガのリーディングジョッキーに輝いた。
フランコ騎手の成績は370戦73勝、2着49回、3着59回。獲得賞金は846万130ドルに達した。2位フラヴィアン・プラ騎手の67勝、3位ホセ・オルティス騎手の66勝を上回った。
2025年の同開催では20勝だったため、わずか1年で勝利数は53勝増加した。
2026年のサラトガはベルモントパーク建て替えの影響で通常より長い45日開催となり、フランコ騎手は44日間に騎乗した。従来の40日開催における最多勝記録は、ラモン・ドミンゲス騎手が2012年に記録した68勝だった。
今夏はトラヴァーズSをリーディングチェンジ(米)で制したほか、G1ホープフルSなどでも勝利。これまでニューヨーク競馬協会の他開催では18回リーディングを獲得していたが、サラトガでは初めてのタイトルとなった。
■ ジョッキークラブ・ブラジレイロ(ブラジル)
6.約5万7000円のPick7が約248万円に 7競走を的中した1人が高額払戻し
ブラジル・リオデジャネイロのガベア競馬場で9月7日に行われた開催で、7競走の勝ち馬を当てる「Pick7」を的中させた購入者が8万2121.42レアル(約248万円)を獲得したことが9月8日に発表された。
的中馬券はクリチバの場外発売所「アジェンシア・デルビー・クリチバ」で購入され、投資額は1890レアル(約5万7000円)だった。
最初の対象競走では単勝1.0倍のアルカラマ(伯)が勝利。メイン競走のプレミオ・エスペシアル・サンタレンでは、アニマルファーム(伯)が2着馬に14馬身以上の差をつけて勝ち、この馬も的中組み合わせに含まれていた。
7競走を通して組み立てた約5万7000円の馬券が、最終的に元金の40倍を超える約248万円の払戻しとなった。
