17年越しで誕生する新競馬場、500頭の引退競走馬が集まる大会、90歳まで現役を続けた競馬一家の父――。世界各地から、レース結果だけでは分からない競馬の制度、文化、人物のニュースを集めました。
■ テハンギョンジェ(韓国)
1.17年越しで韓国4番目の競馬場が誕生 国内初の「巡回競馬」で馬は開催ごとにトラック輸送
韓国競馬公社は、慶尚北道・永川市のレットランパーク永川を9月11日に正式開業する。ソウル、済州、釜山慶南に続く韓国4番目の競馬公園で、2009年に建設候補地へ選定されてから17年を経て開業を迎える。
従来の韓国競馬場と大きく異なるのが、国内で初めて導入される「圏域型巡回競馬」だ。永川に競走馬を常時在厩させるのではなく、釜山慶南に所属する競走馬を開催日に永川まで輸送してレースを行う。
2026年下半期は12週間で72競走を予定。輸送に対応するため、韓国競馬公社は13.5トンの無振動型競走馬輸送車13台を製作した。車内には空調設備、可動式の仕切り、特殊ゴム床、GPSによるリアルタイム位置追跡システムに加え、クラシック音楽を流す設備も備えられている。
メインスタンドは韓屋をモチーフとした地上4階・地下1階建てで、約3500人を収容。9月13日には開場記念式典と記念競走が行われ、最初の競走は午後0時45分発走予定となっている。
■ ザ・ストレート(豪州)
2.引退競走馬500頭が集結 メルボルンC馬も「第二の競技人生」で大集合
豪州ビクトリア州のボネオパークで9月11~13日、引退競走馬だけを対象とする「レーシング・ビクトリア・オフ・ザ・トラック・カーニバル」が開催される。
2026年は500頭を超えるサラブレッドが参加。馬場馬術、総合馬術、ショーホース、障害飛越など23の選手権種目が組まれ、賞金総額は26万豪ドルを超える。
参加馬にはコーフィールドCとメルボルンCを同一年に制したウィズアウトアファイト(豪)のほか、G1馬ハートネル、エドゥアルド、コミュニスト、ライオンズロアーなど、現役時代にトップレベルで走った馬も含まれている。
第1回だった2025年は380頭以上が参加したが、2年目の今年は120頭以上増加。500頭分の出場枠は募集開始から数時間で埋まった。
豪州だけでなく香港、アイルランド、ドイツ、シンガポールで走った競走馬も参加し、出走馬の生産国は8か国に及ぶ。
現役最後のレースから2年以内の馬を対象とする「ライジングスター」部門も新設され、競走馬が引退後に馬場馬術や障害飛越などへ転身するための大会として規模を拡大している。
■ バララット・タイムズ(豪州)
3.10人の子供のうち8人がプロ騎手 90歳まで現役だった豪州屈指の競馬一家の父が死去
豪州競馬のペイン一家を築いたパディ・ペイン・シニア調教師が9月8日、90歳で死去した。
ニュージーランド出身のペイン氏と妻メアリーさんには10人の子供がおり、そのうち8人がプロ騎手になった。
息子パトリック・ペイン氏は騎手時代にノーザリーで2002年のコックスプレートを制し、その後G1調教師へ転身。娘ミシェル・ペイン騎手は2015年、プリンスオブペンザンスでメルボルンCを制し、同競走史上初の女性優勝騎手となった。
ペイン氏自身も高齢になってから調教師を続けており、最後の勝利は88歳だった2024年8月、バララット競馬場でロザリアが挙げたものだった。
さらに最後の管理馬出走は2026年3月6日のキルモア。ニップを送り出したのは自身の90歳の誕生日を迎えるわずか10日前だった。
妻メアリーさんを1986年の交通事故で亡くした後は、10人の子供を育てながら競馬一家を支え続けた。
■ レーシングポスト(英国)
4.平地で初めて負けたのにレーティングは7ポンド上昇 コンスティテューションヒルが108へ
英国障害競馬の元王者コンスティテューションヒル(英)の平地公式レーティングが9月8日に更新され、101から7ポンド上昇して108となった。
同馬は9月5日のケンプトンG3セプテンバーSで、平地転向後3戦目にして初黒星となる4着。勝ったプライドオブアラスから5馬身3/4差だった。
しかし今回は、それまでのノービス競走とは異なり実績のあるグループ競走馬と初めて対戦。上位3頭の公式レーティングが111、114、117だったことから、4着という結果でも内容が評価され、敗戦後にレーティングが7ポンド引き上げられた。
コンスティテューションヒルは障害ではチャンピオンハードルなどG1を多数制した後、9歳となった2026年に平地へ転向。最初の2戦を連勝していた。
新レーティングが108となったことで、上限105のハンデ戦には出走できなくなった一方、ドンカスターのノベンバーハンデキャップなど、より高いレーティングの馬も出走可能な競走が今後の選択肢となる。
■ テアカウレーシング(ニュージーランド)
5.わずか7戦目で豪G1制覇 ベルシュヴァルが8戦だけで競走生活を終了
ニュージーランドのG1馬ベルシュヴァル(新)が9月8日、現役を引退することが正式発表された。
ベルシュヴァルは2025年10月にデビュー。2戦目で初勝利を挙げ、わずか3戦目でニュージーランド1000ギニーに挑戦して3着。その後G3アルマンゾールトロフィー、G3アンクルレムスSを制した。
2026年には賞金400万NZドルのNZBキウィで、年度代表馬となったウェルリトゥンに短頭差の2着。続く豪州遠征では初めて2000メートルを走ったG1ヴァイナリースタッドSを制し、わずか7戦目でG1馬となった。
春の復帰戦となったG3コーツァSでは最下位に敗れ、レース後に呼吸器系の異常が確認された。その後の状態を踏まえ、陣営は競走生活を終えることを決めた。
最終成績は8戦4勝。1200メートル、1400メートル、2000メートルでステークス競走を勝ち、今後は繁殖牝馬となる。
うまラボ編集部
